2020年1月11日、中国広東省で電子版医療保険カードのサービス開始を祝うセレモニーが開かれた。中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が、メッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の上で医療保険カードの機能を実現し、広東省でサービスを開始した。広東省内で同サービスを導入済みの医療機関数は既に1万以上で、広東省内の医療保険カード所持者1億700万人が、この電子版サービスを利用できるようになる。
テンセントは、医療保険カード以外に、病院の診療において必要とされる診療IDカードと銀行カードの機能もウィーチャット上に追加している。このため、今回の取り組みで、カードを必要とせず、アプリだけで病院での診療を可能にした。
患者はウィーチャットの公式アカウントや、医療機関で掲示されているQRコードを読み込むことで起動されるウィーチャット上で動くアプリ「ミニプログラム(小程序)」により、診療前に必要な書類の作成や診察番号札の受け取り、医療費の支払い、薬の受け取りといった、「診察における全プロセス」に対応することができる。それにより、病院内の受付での列の混雑を緩和させたり、支払いのための順番待ちなどを減らしたりして、これまでは当たり前だった、病院における診療に当たっての不必要なプロセスの多くを、省略できる。
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