2019年9月9日、中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は広州地下鉄と提携し、中国国内初の都市軌道交通スマートブレインOS「穂騰(スイテン)OS」を打ち出した。中国広州の広州塔(広州タワー)駅でスイテンOSが実用化され、スマート地下鉄のモデルとされた。
近年、中国における地下鉄の路線と駅は絶えず拡張しており、乗客も増え続けている。既存の伝統的な地下鉄のシステムでは、変化する乗客のニーズを満たすことが難しくなっていた。スイテンOSは、軌道交通システム上の設備をインターネットにつなげ、プラットフォーム化する。地下鉄駅内の各設備およびシステムをスマートに感知し、得られるさまざまなデータを連携させたり、AI(人工知能)を活用して分析したりして、その結果を踏まえた地下鉄運営を実現し、高度にコラボレーションできる駅の運営を可能にした。
言い換えると、地下鉄の従業員はスイテンOSを通じて、各種の設備やシステムを集中管理できるということだ。
広州タワー駅でのスマート化は、「全景式運営管理」と「全時空スマートサービス」の2つに大きく分けられている。「全景式運営管理」とは組織内部の運営管理に該当するもので、駅員はスイテンOSを使うことで、駅構内に配置されたカメラが映し出す映像を通じて、駅の巡回や駅構内の扉の開け閉め操作、駅内業務の管理、来客の流れの管理、駅内セキュリティーの集中管理、スマートな運営保守などの機能を利用することができる。一方、「全時空スマートサービス」は、外部の顧客向けのサービスに該当するもので、スマートセキュリティーチェックやスマート発券、スマートカスタマーサービス、スマートガイドなどのサービスを指している。
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