2019年8月29日、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)のクラウドサービス「百度智能雲(バイドゥAIクラウド)」は、中国北京で「百度雲智峰会(バイドゥABCサミット2019)」を開催した。 ABCは、「AI」「ビッグデータ」「クラウドコンピューティング」の総称。バイドゥAI クラウドはいかにしてAI(人工知能)の産業化を加速し、第四次産業革命を後押しするのか。

「百度雲智峰会(バイドゥABCサミット2019)」の公式Webサイト
「百度雲智峰会(バイドゥABCサミット2019)」の公式Webサイト

 バイドゥAIクラウドは、全業界を通して初めてとなる「AIの産業化」の公式を発表した。

 公式は簡潔な構造となっており、AIの産業化における3つの駆動力とそれらの関係性を示している。「スマートコンピューティング」は、スマート化における計算能力や技術を指し、「スマート応用」はスマート化における技術の応用を指すもので、相互に掛け合って発展を促進し合う関係となっている。「スマートエコシステム」はスマート化されるエコシステム(経済圏)を指し、「AIの産業化」の指数関数的発展を実現させる。バイドゥAIクラウドはこれら3つの領域で既に布石を打っており、AIの産業化の発展を加速させている。

 公式を発表すると同時に、AIの産業化を進める上で基礎となるインフラストラクチャーの全面的な強化も発表した。まず、バイドゥAIクラウドは、独自開発したAIチップ「昆侖(クンルン)」を搭載したクラウドサーバー「百度昆侖雲(バウドゥクンルンクラウド)サーバー」を発表した。また、ストレージの領域では新たにアーカイブ・ストレージを発表しており、1GBのデータの1カ月間の保存料金が0.015元と中国で最安値を実現する。動画編集の領域では、業界初となるHDR(ハイダイナミックレンジ)で4Kの高画質映像のトランスコードに対応し、ビットレートを60%以上圧縮できるソリューションも打ち出している。

 また、電話対応するデジタルヒューマン「智能来電秘書(スマート電話応対秘書)」も紹介された。24時間体制で自動の電話対応を実現し、相手とスマートに対話して先方の明確な意向を確認し、メール形式でフィードバックする。さらに音声合成技術で自分の声をデジタルヒューマンの声に反映させることもでき、自分自身のAI分身を作り出すことができる。

 これら以外にも、デジタルヒューマンプラットフォームや端末との連携ソリューション、ブロックチェーン技術の活用による信頼性を高めた身分認証ソリューションなど、発表された最新プロダクトは計20種類に及んだ。

5つのソリューションを全面的にグレードアップ

 新たなプロダクトの開発を進めると同時に、既存のソリューションをアップグレードしたことも発表した。メディア動画のソリューションや、都市のスマート化ソリューション、工業の可視化ソリューション、ロボットプラットフォーム「ABC Robot」、コールセンターにおけるAIの対話エンジンという5つのソリューションを全面的にアップデートした。

 またバイドゥAIクラウドは、バイドゥABCサミット2019で過去1年間の成果を発表。「ABC」「クラウド+AI」をコア戦略とし、1年間で急速に成長したことを明らかにした。具体的にはユーザー数と収入は倍増。通信量とサーバー数は3倍に増加し、中国で最も成長が速いクラウド企業となった。また、1万台のサーバーを1つに束ねた大型サーバーや機械学習オープンソースプラットフォームなど、多くの技術や製品、アプリケーションなどの領域において中国国内トップを達成している。

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