2019年8月23日、中国EC最大手のアリババ集団の傘下であるアント・フィナンシャル・サービスグループは、運営する電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」において、中国国内で初めて「生体認証におけるユーザーのプライバシー保護とセキュリティーについてのイニシアチブ」を打ち出した。関連するテクノロジー企業に、イニシアチブへの参加を呼びかけた。

アリババは5カ条のイニシアチブを公表し、業界全体にユーザー情報の保護を呼びかけた
アリババは5カ条のイニシアチブを公表し、業界全体にユーザー情報の保護を呼びかけた

 このイニシアチブは全部で5カ条から成る。主にプライバシー、セキュリティー、情報の乱用防止、責任と監督、公平の観点から、生体認証を規範化し管理することで、健全にコントロールされた状態で業界を発展させることを呼びかけている。例えば、企業がユーザーの生体情報を取得する際は情報量を最小限に抑え、必要以上の情報を取らない「必要最小限」の原則に従うことで、情報の乱用を防止することを提示している。

 主に顔や指紋、目の虹彩といった生体情報は、決済やゲートの入退出、携帯電話のロック解除などに既に幅広く利用され、人々の日常生活を便利にしている。例えば顔認証決済は、携帯電話や財布を取り出す必要もなく、決済の全プロセスを10秒もかけずに完了できる。また、複雑で煩わしい暗証番号を覚える必要もなく、使用のハードルを大きく下げるため、特に高齢者に対してより多くの利便性をもたらす。

 顔認証決済などの生体認証による決済は、便利でスピーディーであることから、現在、徐々に主流となってきている。実際、この領域で事業を展開する企業は1000社を超え、2018年の市場規模も1000億元(約1兆5000億円)を超えるなど、中国の生体認証技術は世界でも先進的なレベルに達している。

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