2019年8月15日、中国EC最大手のアリババ集団は19年第2・四半期決算(19年4~6月)を発表した。今期は、リテール事業と、ネット出前サービス「餓了麼(ウーラマ)」、クラウドサービスを手掛ける「阿里雲(アリクラウド)」の3つの事業が収入を増やして大きく成長。売上高は前年同期比42%増の約1149億2400万元(約1兆8387億円)となった。

アリババは2019年第2・四半期(4~6月期)の決算を発表した
アリババは2019年第2・四半期(4~6月期)の決算を発表した

 アリババの主要事業であるリテール事業による売上高は、前年同期比40%増の756億100万元(約1兆1400億円)となった。その中で、ECサイトに出店している顧客からの出店料などによる収入は419億5400万元(約6300億円)で、取引ごとに一定比率をとる販売手数料(コミッション)は169億200万元(約2500億円)となっている。また天猫(Tモール)のネットスーパー「天猫超市(Tモールスーパー)」や生鮮食品スーパー「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」などを含むその他のリテール事業による売上高は、前年同期比で134%増の167億4500万元(約2500億円)に成長した。

 ニューリテール事業について見ると、アリババは、消費者インサイトの分析技術や商品のデリバリー(配達)、在庫管理、サプライチェーン管理およびモバイル決済などのソリューションを駆使して、伝統的な小売業者のデジタル転換を実現。営業の効率化および消費者体験の向上を持続的に支援している。ファーマーションシェンは出店を継続して事業を拡大すると同時に、店舗の改善と新たな施策により消費者体験を向上させ、大幅な売り上げ増を実現した。ファーマーションシェンは19年6月末時点で、中国の17都市に150店舗を展開している。

生活サービス事業の売上高は前年同期比137%増

 生活サービスにかかわる事業では、ウーラマの事業から得られるコミッションと、配達サービスおよびその他のサービス料金が、主な売り上げとなる。今期の売上高は、前年同期比137%増の61億8000万元(約930億円)となった。売り上げの急成長は、受注数量の大幅増加とデリバリー商品の平均単価のアップ、配送業務の運営効率の向上、GMV(流通総額)の高速成長によるものとなっている。アリババは引き続き、小売店や飲食店などの事業者や生活関連サービス業者に付加価値を提供することに取り組む。主に技術面をサポートして、こうした店舗のデジタル転換を実現し、同時に、アリババのプロダクトやサービスのカバー領域を、こうした店舗が数多く残り開発が遅れている地方都市にまで拡大することを目指す。

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