2019年7月12日、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は、19年上半期におけるインターネット上の情報セキュリティーリポート「百度情報安全総合治理報告」を自社メディアで取り上げた。半年間でバイドゥが削除した有害情報は約312億5000万件。処理速度は1秒当たり約2000件となる。

有害情報処理について伝えるバイドゥのリリース
有害情報処理について伝えるバイドゥのリリース

 バイドゥは、「AI(人工知能)技術の活用」「自動巡回」「第三者による通報」の3つの手段を用いて有害情報を処理する。有害情報とされる内容は、ポルノ・わいせつ、賭博、偽造品の制作や販売、詐欺、麻薬等の違法薬物、危険物品、違法な情報取引、暴力、プライバシーの侵害、著作権等の権利侵害、その他の11種類に分類して把握している。

 まず、AI技術を活用した手法によって、全体の99.9%を占める約312億2000万件の有害情報を処理した。以前から見られた、一目で分かる有害情報をブロックしたり削除したりするだけでなく、AIによるさまざまな識別技術を導入し、一見しただけでは分かりにくい有害情報もあぶり出している。例えば、自然言語や音声、動画、テキスト内容などさまざまな角度から識別する技術を使って、有害情報の生成と拡散を阻止している。この手法により処理された有害情報の主な内訳は47%がポルノ・わいせつ関連、37.9%が賭博関連、2.9%が偽造品の制作や販売関連、2.6%が詐欺関連となっている。

 次に、自動巡回による検出方法によって、3439万件の有害情報を処理した。従来の手作業による巡回よりも、よりきめ細かな処理ができる。この手法により処理された有害情報の主な内訳は、58.9%がポルノ・わいせつ関連、24.4%が賭博関連、6.9%が著作権等の権利侵害となっている。

 最後に、第三者の通報によって削除する手法によって、約137万件の有害情報を処理した。バイドゥの提供するあらゆるサービスについて、第三者が通報できるさまざまなフィードバックのチャネルを用意し、個人、企業、政府部門等第三者からのフィードバックを得て処置を施す。この手法により処理された有害情報の主な内訳は、」33%がポルノ・わいせつ関連、23%が著作権等の権利侵害、10%が賭博類となっている。

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