中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は、医療事業について成果を発表した。7つのスマート医療の領域やAI(人工知能)を活用した新たな子宮がん診断補助システムなどで、成果を上げている。2019年5月21日から23日に開かれた「騰訊全球数字生態大会(テンセント グローバル デジタル エコシステム サミット)」で発表した。
テンセントの丁珂(ディン・クー)副総裁は、医療事業における成果を、「患者」「医師と病院」「政府」の3つの観点でそれぞれ発表した。「患者」の観点では、1000種類以上の疾患や15種類のがんへの対策を網羅した医療サービスの提供を可能にする。また300カ所近くの病院に、AIによる診断補助システムを導入し、累計470万回を超える高精度診断を実施している。
「医師と病院」の観点では2つ。まず、AI技術を活用したレントゲン写真の分析ツールを提供している。AIに学習させるために用いたレントゲン写真の枚数は累計2億7000万枚に及び、実際にツールを使ってレントゲン写真を分析した患者の数は160万人、そのうちリスクの高い治療が必要との診断結果を示した人数は、約1割に相当する16万人になる。また、テンセントの対話アプリ「微信(ウィーチャット)」内で公式アカウントを開設している医療機関数は3万8000以上になる。そのうちの60%の病院は、公式アカウントを通じて何らかの医療サービスを提供している。
「政府」の観点では、医療保険カードの電子化を推進する。既に中国全土で、400カ所を超える病院や6000店前後のドラッグストアで電子化された医療保険カードが利用できる。また、中国の病院で診療を受ける際に必要な健康カード(診察用IDカード)の電子化も進めており、これは中国全国で34の行政地区のうち、9地区で電子化している。
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