2019年4月19日、中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は、中国国有食糧大手の中粮集団(COFCO)と戦略提携を締結した。両者は農業や工業、小売り、不動産の各領域でスマート化に取り組み、併せて党組織の建設や貧困層への扶助、オフィスの開発についてもスマート化の推進を宣言した。
テンセントはビッグデータやクラウドコンピューティング、AI(人工知能)などの技術を提供する。一方でCOFCOは農作物の生産、食品の製造、小売り、不動産の4つの領域について資本と経営管理能力を提供する。それらを組み合わせ、COFCOのデジタル化、インターネット化、スマート化を進める。また、単なる企業のスマート化だけでなく、幅広い領域での提携を通じて、産業そのもののスマート化、デジタル化も図る。
農業と工業のスマート化については、ビッグデータとAI技術の領域で深く協業する。テンセントのクラウドサービス「騰訊雲(テンセントクラウド)」のクラウド技術を活用することで、農作物の生産量の効率的な予測と国内外における食糧ビジネスの分析を進め、意思決定をサポートするプラットフォームも構築する。同時に、生産プロセスの改善、経営管理、リスク管理などのスマート化、デジタル化を進める。また工業のスマート化の一環として、食品業界をターゲットに、企業の食品製造のスマート化をサポートする「食品産業スマート製造イノベーションセンター」の構築を模索する。食品業界に大きな影響力を与える新たなサービスの展開を図る。
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