中国EC最大手のアリババ集団は、ビジネス向け交流サイト(SNS)大手の米リンクトインが発表した「2019年リンクトイントップ企業ランキング」にて、中国で最も人気な就職先企業とされた。同ランキングは過去に4回行われており、中国では今回が初めてとなる。

リンクトインのランキングを報じるアリババ集団のリリース
リンクトインのランキングを報じるアリババ集団のリリース
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 リンクトインのランキングは2019年4月3日に発表され、中国国内の上位25社を取り上げている。この企業ランキングは一般的な評価基準とは異なり、収益状況や会社の運営能力、株式市場による評価ではなく、同社の専門チームがユーザーの行動の分析データを基に評価している。具体的なデータ分析の要素は4つに分けられる。

 1つ目は会社に対する興味の程度で、ユーザーによる企業に対するフォロー数で評価される。2つ目は志望企業の現職員とのコミュニケーションで、企業の現職員を調べたユーザー数で評価される。3つ目は職位に対する需要度で、検索してから申請に至ったユーザーの比率で評価される。4つ目は就職後の定着率で、就職後1年以上働いているユーザーの比率で評価される。対象企業は500人以上の従業員を抱えている企業としており、統計は2018年2月1日から19年1月31日までのデータを取り扱っている。リンクトインの親会社の米マイクロソフト社は対象から抜いている。

 また、リンクトインはランキングを作成する過程で発見した中国のトレンドも発表している。中国ではインターネット企業が急成長しており、主に通信、ソーシャルネットワーク、検索、ECなどが大きな割合を占めている。また、国による産業の発展を促進する政策によって、サービスや商品開発のイノベーションも急激に増加しており、関連企業に多くの資金が市場から集まり、中国の雇用環境を大きく変化させている。

 ランキング上位25社のうち11社がインターネット企業で、その内10社が中国企業となる。BATを比較すると、トップのアリババに次いでバイドゥは2位、テンセントは19位となっている。人材確保の手段として、高い報酬体系と早い出世を可能としている企業がランキングで上位に並んでいる。これらの手段が、主にエンジニア、商品マネジャー、マーケティング、営業といったカテゴリーの人材をひき付けている。

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