2019年3月21日、中国EC最大手のアリババ集団傘下で中国最大の越境ECサイト「天猫国際(Tモールグローバル)」は、海外の良質な商品の中国市場への輸入を強化すると発表した。Tモールの倉庫をグローバルに設置して中国への輸入効率化を図り、併せて大型輸入センターを構築してリアル店への販売ルートを強化する。アリババが開催した「TG1000 Tモールグローバル2019グローバルパートナーズサミット」で発表した。
Tモールグローバルは、「TOF(Tmall Overseas Fulfillment)」と名付ける新しい輸入体系を構築する。世界の中小ブランド商品を中国に効率的に輸入できるようにするため、海外にTモールグローバルの倉庫を複数設置する。中小ブランドはその倉庫に中国で販売したい商品を預け、TモールグローバルのECサイトで商品をテスト販売することができる。ECサイト上で商品が購入されれば、預けた倉庫からTモールグローバルが速やかに中国に輸入し、消費者に届ける。中小ブランド側はモールへの出店に比べて低コストで中国市場での販売を実現でき、万一売れなかった場合でも大きな損失の発生を防げる。中国でのテスト販売を大きな負担なく実現し、商品に対する中国消費者の反応を迅速に見ることができる仕組みだ。
TOFの倉庫は現在、米国や日本、韓国で既に稼働しており、年内には欧州にも設置予定だ。さらに、今後、中国の消費者に合った良質な商品の輸入を増やすため、既存の中小ブランドと合わせて100種類を超える中小ブランドを、海外で育成していく。世界中から良質な商品を発掘して中国市場で販売し、中小ブランドとして育成してさらなる輸入増につなげることで、Tモールグローバルは他の越境EC企業との差別化を図る。
Tモールグローバル輸出入事業部の劉鵬(リュウ・ペン)総経理は、「この5年間でTモールグローバルは海外のブランドのヒット商品をたくさん販売してきた。しかし、世界中に良質な商品はまだたくさん眠っており、それらは残念ながら中国に輸入されていない。海外に広く倉庫を設置する目的は、そういった商品を中国に輸入することにあるそうした中小ブランドの商品をより良いサービスで中国国内の消費者に提供していく」とコメントしている。
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