中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は、2019年に注力する3つの計画を明らかにした。運転者なしで走行が可能な自動運転(レベル4)の自家用車を量産する計画、スマートシティーの建設計画、患者を失明から守る最新医療機器の寄付計画になる。
バイドゥは国有自動車メーカー大手の中国第一汽車集団と提携し、レベル4の自家用自動運転車を量産する。対象車種は中国第一汽車の主力ブランド「紅旗」だ。2019年には小規模で量産し、試験走行を北京や長春などの都市で実施予定。20年には大量生産を目指す。自動運転「レベル4」の自家用車の量産は中国初となる。
降車後に自動で駐車スペースへ
バイドゥは「ACE王牌計画」(ACEはオートノマスドライビング、コネクテッドロード、エフィシエントシティーの略)と呼ぶスマートシティーの建設を始める。この計画はバイドゥの自動運転技術を軸に、自動車と道路をつなげることで交通を効率化することを重点に置く。
交通問題についてバイドゥの創業者、李彦宏(ロビン・リー)最高経営責任者(CEO)は「公開データによると、米ニューヨーク市の交通問題による毎年の損失額は2200億元(約3兆4800億円)とされており、同様の計算をすると北京の損失額は1500億元に及ぶ。従来のインターネット技術でできる渋滞の緩和はせいぜい10~15%だが、AIでは30~40%の渋滞緩和が期待できる」と語る。
バイドゥは交通問題に対し2つのソリューションを計画している。1つ目は自動車と道路の連結である。運転者の視界と自動車のセンサーによる感知のみならず、道路側でも感知し、自動車と連携することで完全な視覚を実現する。これによって運転者の視界に映らない危険も事前に回避できる。
2つ目は駐車の自動化システムである。バイドゥの統計データによると車の運転時間のおよそ30%は駐車場探しに費やしている。駐車の自動化システムは自動車に自主的に駐車する能力を与え、運転手が降りてから自動車が限定ゾーンを運転者なしで走り、自動的に駐車場まで行き、駐車するという仕組みだ。
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