中国EC最大手のアリババ集団は、遷移状態データベース(TSDB)を開発したと発表した。一般的なデータベースと比べ、TSDBはデータの書き込み速度を100倍以上、データ貯蓄コスト90%の削減を実現することで、データ分析能力の大幅な向上が見込めるという。

 開発したのは、クラウドサービスを手掛けるアリババ傘下の阿里雲(アリクラウド)。TSDBとは時間軸に沿って集められる時系列データを扱うことに特化したデータベースで、クラウド上で機能させる。

アリクラウドTSDBの概念図。工場設備、IoT設備、車両などの情報はエッジ側で処理してからTSDBクラウドへ送信。圧縮したり加工したりして柔軟に処理できる
アリクラウドTSDBの概念図。工場設備、IoT設備、車両などの情報はエッジ側で処理してからTSDBクラウドへ送信。圧縮したり加工したりして柔軟に処理できる
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 TSDBはデータ量を10分の1に圧縮でき、コストを90%削減することが可能。また、時系列でインサイト(洞察や知見)を発見する機能を持ち、ビッグデータの分析結果のリアルタイムでの可視化をするだけでなく、データの変化や異常を感知し、そのプロセスを理解してリスクの軽減や効率化を実行する。

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