中国EC最大手のアリババ集団は、交通信号機などの交通設備や警察の持つ移動端末などをクラウドに接続し、都市のスマート化を加速する。範囲は杭州の主要地区と周辺の余杭区、簫山(しょうざん)区の420平方キロメートル。今後、アリババはグローバルにも展開していく。
杭州では救急車などの特殊車両を信号のコントロールによって優先的に路上走行させることに成功。試験運転の実験結果では、救急車の現場到着にかかる所要時間を従来の状況と比べて48.9%短縮させた。

アリクラウドETシティブレーン2.0の発表の様子(18年9月19日)。アリババ集団が主催した「雲栖大会・杭州サミット」で(アリババのサイトより)
17年10月11日に、スマートシティを構築するうえで基盤となるシステム「アリクラウドETシティブレーン1.0」が発表されて以来、約1年間でシティブレーンの管轄面積は28倍に拡大した。現在、杭州の全交差点のうち4分の1の規模となる約1300カ所の交差点の交通信号機と、路上の監視カメラ約4500機をクラウドに接続する。管轄面積の拡大と同州における交通の効率化は渋滞の緩和に寄与している。杭州は中国全国の渋滞都市ランキングで16年当初は5位だったが現在57位になっている。
18年9月19日に発表された強化版「ETシティブレーン2.0」の背後では、アリクラウドが独自開発した大規模なクラウドコンピューティングオペレーションシステム「飛天(フェイテン)」が大きく貢献する。同サミットでアリババは飛天の強化版となる「飛天2.0」も発表している。
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