米ウォルマートや米ナイキといった、店舗ビジネスを中心としたマーケティング巧者が相次いで採用する新型EC「BOPIS(ボピス)」。ネットで注文して、店舗で受け取るBOPISが米国で定着し、消費のEC化率向上をけん引する。国内でも、EC化率向上の重要な取り組みになりそうだ。
BOPISとは、「Buy Online Pick-up In Store」の頭文字を取った略称で、端的に言えば「ネットで購入して店舗で受け取る」サービスを指す。国内でも小売企業や飲食企業などで導入が進みつつあるこの仕組みは、日本の消費のEC化率を向上させるうえで重要な取り組みとなりそうだ。
経済産業省の発表によれば、日本の消費全体に占めるEC化率は2017年で5.79%にとどまっている。一方、米国では17年に11.6%だったEC化率が、18年で14.3%に高まった。これをけん引したのがBOPISだ。米ウォルマートや米ホームデポといった、リアル店舗に強みを持つ大手企業は、BOPISを活用したオムニチャネルに力を入れる。19年3月のICSC(国際ショッピングセンター協会)の発表によると、米国におけるBOPISの利用者は成人の50%超に達し、そのうち61%が頻繁に利用している。
急増するBOPIS利用客に向けて、従業員が対応する受け渡しカウンターでは対処しきれず、ウォルマートはピックアップ用の巨大なロッカー「ピックアップタワー」を18年中に全米の同社の4割以上の店舗に設置。19年以降は全店に設置することを目指しているという。リアルとオンラインを融合させる、BOPISの定着が、EC化率の向上に一役買っている。
BOPISは消費者に5つのメリット
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