
デザインの小骨話
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- 2022.06.30
雨の似合う車 @Yam_eye・2021年09月18日 雨が似合う車って、難しいよね。(インフィニティQ45カタログより) -
- 2022.06.06
図鑑の絵 @Yam_eye・2016年12月24日 植物図鑑に描かれる絵は、「あらゆる細部を均等に記述すること」が最優先される。だから本来の視覚効果(影の部分は暗いとか上の葉の影が落ちるとか)や個体の特徴は極力排除され、花や葉の向きも「わかりやすさ」優先で調整される。その意味では、「知識」に特化した抽象画であると言える。 -
- 2022.05.10
博物館 @Yam_eye・2022年04月03日 4月1日付けで愛媛県総合科学博物館の名誉館長を務めることになりました。2020年に亡くなった初代館長、有馬朗人(元東大総長)さんの後任になります。愛媛県新居浜市の別子銅山産業遺産群の麓にある黒川紀章さんの壮大な建築物です。 -
- 2022.04.08
はっさく @Yam_eye・2017年01月31日 「せとかも甘平も美味しいけど、私は昔ながらの『はっさく』が好き」と言ったら愛媛のみかん農家の人にとても喜ばれた。以来そこから毎年箱買いしている。 -
- 2022.02.28
ゆっくり休んで。 @Yam_eye・2015年07月16日 それなりに大きな仕事ができたときは、ゆっくり休みなさい。もちろん、そう簡単に大満足とはいかないでしょうが、達成感をかみしめて眠る時間も大切です。 -
- 2022.02.04
まねから始まる @Yam_eye・2015年01月28日 私は漫画を書き始めたときもデザイナーを始めたときも、最初は徹底的に「神作家」のまねをして絵やモデルを作った。そのうち「自分はどうしてもこうしたい」が見つかる。それが個性の起点。 -
- 2022.01.05
ソースのちびがけ @Yam_eye・2011年10月01日 ホットケーキにかけるメープルシロップも、トンカツにかけるソースも、最初にぐるぐるかけてしまうと、時間が経ってしみ込んでしまった所がなんかもっさりした味になるので、食べる分だけいちいちかけるのは、私だけでしょうか。 -
- 2021.12.13
ユーザビリティ・テスト @Yam_eye・2010年11月29日 商品開発におけるユーザーテストを通じて学ぶことは多い。例えば、人は自分の不満の原因を正しく言い当てることはできないものなのだ、ということがよく分かる。 -
- 2021.11.17
空想と構想 @Yam_eye・2012年02月22日 空想は頭の中だけで完結する物語。構想はそれを現実世界におろすための計画。デザイナーは空想を構想に変えられる人。 -
- 2021.09.29
白い紙 @Yam_eye・2013年12月27日 紙に向かってスケッチしている時間が貴重なのは、あれだ、スケッチブックが、ネットにつながってないからだ。白い紙の上には、ちゃんと「孤独」がある。 -
- 2021.09.07
科学とデザイン @Yam_eye・2013年02月27日 自分の直感を信じてその方向に進むことはデザインの基本だが、実験や調査で科学的に正しくないことが明らかになったときは、ばっさり捨てる。戦っても無駄。 -
- 2021.08.04
廃墟に想う @Yam_eye・2020年04月26日 廃墟とは、人が作った物が自然に帰って行く途中の姿である。自然観察から生まれた科学と文化が人工物という形に一度は結晶し、遺棄され、ふたたび自然に浸食され埋もれて行く。抽象的な輪郭と生命の混沌のコントラストが、深く私たちの心を打つ光景を作る。 -
- 2021.07.12
偶然の必要性 @Yam_eye・2020年04月16日 アイデアのほとんどは、情報の尋常でない接続から生まれる。つまり偶然の産物に近い。だから多くのクリエイターはそのような機会を増やすべく、未知の場所に出かけ、見知らぬ人に出会い、予定にない行動を起こしてみる。それに比べるとオンラインの出会いは、あまりに予定され過ぎている。 -
- 2021.05.31
40歳から @Yam_eye・2012年12月30日 感覚的な全盛時は30代だが、自分が何をしているのか、自分の歴史的な役割が何かが分かってくるのは40代。すでに衰えつつある感覚を、思想と知識でカバーする。 -
- 2021.05.13
カメムシの盾 @Yam_eye・2020年07月07日 カメムシの背中は割れない。てゆうか、カメムシの背中を覆っているのは前バネではなく、カブトムシやコガネムシの背中のT字の真ん中にある小さな▽が巨大化したものらしいです。 -
- 2021.04.09
「脱サラ」の不自由さ @Yam_eye・2011年04月26日 フリーになった頃、ある友人が私の状況を「脱サラ」と表現し、とても違和感を抱いたのを覚えている。確かに私はサラリーマンを辞めたが、すでにそのこと自体はどうでもよかったからだ。「脱○○」という言葉は○○にとらわれている言葉なんだと、そのときに理解した。 -
- 2021.03.22
巣ごもり @Yam_eye・2014年02月08日 アトリエは、今のところ積雪5センチ。外出はあきらめてお布団に戻る。 -
- 2021.01.29
自分のスタイル @Yam_eye・2018年01月23日 「自分のスタイル」というものを表現ではなく、着眼点や方法に求めたい。表現そのものは、もう少し自由に、なりゆきで。 -
- 2021.01.07
手修行 @Yam_eye・2017年12月30日 時間があったら、「手に握るもの」を木材で、心ゆくまで作ってみるといい。手の感触と視覚と素材の循環対話。始めてしばらくは、いつまでたっても終わらないような気がするが、徐々に収束し、ふと調和という終着に至る。 -
- 2020.12.03
SFとデザイン @Yam_eye・2016年7月16日 私たちは科学技術がもたらすであろう価値観を仮説的に提示する。つまりそこにはフィクションがある。だからこそ可能な限り科学的に真摯な「ハードSF」でありたいと常に願っている。 -
- 2020.11.04
プロジェクトの貢献度 @Yam_eye・2014年10月10日 プロジェクトへの自分の貢献度を%で示してもらって、チーム全員分を集計するとほとんどの場合100%を大きく超える。だから成果が高い評価を受けるようになってから貢献度について話し合うと、たいていひどいことになる。 -
- 2020.10.05
木漏れ日はなぜ丸い @Yam_eye・2017年12月09日 木漏れ日は丸い。木の葉と木の葉の小さな隙間を通って、太陽の丸い姿が地面に結像する。みんな見上げてばかりだけど、日食のときには、木漏れ日も欠けている。 -
- 2020.08.28
誰も気づかない完成度 @Yam_eye・2020年07月25日 完成度とは「そんなこと誰も気にしない」修正や改良の集合体である。 -
- 2020.07.31
クルー・ドラゴン @Yam_eye・2019年05月11日 SpaceXが素晴らしいなと思うのは、こういう開発途中の純粋機能部品においても、公開されることを意識して、色彩はもちろん、質感や形状も可能な限り美しくデザインしてあること。日本の重工業系では、計画そのものにこういう予算が設定されない。 -
- 2020.06.29
イカの骨格 @Yam_eye・2013年02月21日 イカは足をそろえてきれいな円錐を作ることにより、両方向に効率よく移動できるところが萌えポイント。 -
- 2020.05.28
遠隔授業 @Yam_eye・2020年04月22日 学生諸君には申し訳ないんだけど、同じ授業を続けていると、だんだんテンション下がっちゃう方なので、今年は全然違うことがやれて、なんか楽しい。 -
- 2020.04.27
未来志向 @Yam_eye・2016年09月01日 未来志向とはぼんやり夢を見て過ごすことではない。今できることの中から、未来につながりそうなことを選んで少しずつ重ねていく、そういう態度のことを言う。 -
- 2020.04.07
2冊の画集 @Yam_eye・2018年08月14日 SIGGRAPHに参加。いきなり原画展に出合って立ちすくむ。20代の頃に一度でいいから原画を見てみたいと憧れ続けたものが、あまりに無造作に目の前にある。泣きそう。 -
- 2020.03.26
憧れのゴルゴ13 @Yam_eye・2017年04月22日 理想のフリーランサーはゴルゴ13だと思う。完璧な仕事。最高の報酬。営業活動なし。値段交渉なし。稼いだ金は自己の鍛錬と仕事の遂行のために惜しみなく使う。 -
- 2020.03.05
30代のうちにしておくこと @Yam_eye・2020年02月01日 デザイナーになる直前に、偉大なデザイナーたちが、何歳のときに何をデザインしたかを一覧表にして調べた。発見したのは、多くの先達が30代前半に最初の「すごい仕事」を残しているということだった。それもあって、29歳で独立したのだと思う。 -
- 2020.01.14
AIとデザイン @Yam_eye・2016年03月10日 高性能の写真機の登場によって、肖像記録者としての画家は敗北したわけだけど、それによって人類は「表現する」ことの意味を再発見した。AI(人工知能)に出合うことによって、人が思考の営みをさらに高い段階に持っていくことを期待する。 -
- 2019.12.23
真理に近づく方法 @Yam_eye・2017年06月06日 真理に近づく方法は二つある。ひとつは、知識を検証可能な方法で記述し、みんなで共有すること。もう一つは、認識を洗練させて提示し、みんなの共感を得ること。前者を科学といい、後者を芸術という。 -
- 2019.12.16
スケッチに宿るもの @Yam_eye・2015年06月12日 デザイナーのスケッチは、作品ではない。それは思考の通過点にすぎず、役割を終えて打ち捨てられた残骸である。しかし、創作という事件を解き明かしたい探偵にとっては、十分貴重で、面白い。 -
- 2019.09.26
伝記を読むということ @Yam_eye・2012年05月06日 伝記は、できるだけ遠い時代の、できるだけ遠い国の人の伝記を読むのが良い。参考にしようなどと思う必要はない。ただ人生の幅の広さを知ることができれば、自分がとらわれていることの小ささが見えれば、それで良い -
- 2019.09.05
独創的な人、変な人 @Yam_eye・2011年11月08日 独創的な人は、ただ道を歩く姿もどこか他人と違う。自分が歩くことの意味や方法を真剣に考えたことがあり、誰もがやる方法を疑ってみたことがあるからだ。必要なときだけ独創的になれる人などいない。 -
- 2019.08.22
「売れるデザイン」の騒がしさ @Yam_eye・2016年11月26日 バラエティー番組の画面のテロップや色彩や効果音が醸し出す、慣れないと戸惑うほどの「騒がしさ」を見ると、動画に電飾に騒々しい音楽をこれでもかと重ねる繁華街を思い出す。この国のクリエイターたちが経済原理だけで動くときに共通する、ある種の過剰さなのかもしれない。 -
- 2019.07.10
3Dプリンターの可能性その2 生き物のための作り方 @Yam_eye・2016年08月29日 アディティブ・マニュファクチャリング(3Dプリンター)は本質的に生物的な形状と相性が良い。生物は型を使ったり削ったり、あるいは組み立てられたりして作られるものではなく、逐次造形されるものだから。 -
- 2019.07.03
デザインと言葉 その2──美しさを語ること @Yam_eye・2011年10月29日 作品から受けた印象を言葉で人に伝えるには二つの方法がある。一つはそれを見たときの自分や周りの人の様子を説明する。もう一つは、比喩的にそれと似た印象の文章を作ってしまう、つまりは詩だ。そして評論は、そのどちらも超えなければならない。 -
- 2019.04.25
3Dプリンターの可能性その1 「ならでは」の価値 @Yam_eye・2016年07月15日 魔法の機械のように言われた3Dプリンター。普及してみると案外何も作れないじゃないかと言う人も少なくない。でも3Dプリンターでしか作れないものは確かにある。 -
- 2019.04.05
デザインと言葉その1──曖昧な感覚に与える言葉 @Yam_eye・2018年05月30日 少し作り散らしたら、言葉を与えてみるとよい。心のままに制作したオブジェたちには、さまざまな意思、願望、感覚、生理的な好悪などが入り交じっている。それらを整理し、分離、抽出してぴったりの言葉を与えることができたら、自分が本当に作りたかったものが見えてくる。