Suica改札機の読み取り部をはじめ、自動車や時計などのプロダクトデザインを手掛け、現在は先端技術のプロトタイピングを仕事の中核とする山中俊治氏。山中氏がこれまでの活動を通して培った思考方法とデザインのルールを、繊細なタッチで描かれたスケッチとともに親しみやすい語り口で伝えるデザインエッセイ。
  • 2019.09.05
    独創的な人、変な人
    @Yam_eye・2011年11月08日 独創的な人は、ただ道を歩く姿もどこか他人と違う。自分が歩くことの意味や方法を真剣に考えたことがあり、誰もがやる方法を疑ってみたことがあるからだ。必要なときだけ独創的になれる人などいない。
  • 2019.08.22
    「売れるデザイン」の騒がしさ
    @Yam_eye・2016年11月26日 バラエティー番組の画面のテロップや色彩や効果音が醸し出す、慣れないと戸惑うほどの「騒がしさ」を見ると、動画に電飾に騒々しい音楽をこれでもかと重ねる繁華街を思い出す。この国のクリエイターたちが経済原理だけで動くときに共通する、ある種の過剰さなのかもしれない。
  • 2019.07.10
    3Dプリンターの可能性その2 生き物のための作り方
    @Yam_eye・2016年08月29日 アディティブ・マニュファクチャリング(3Dプリンター)は本質的に生物的な形状と相性が良い。生物は型を使ったり削ったり、あるいは組み立てられたりして作られるものではなく、逐次造形されるものだから。
  • 2019.07.03
    デザインと言葉 その2──美しさを語ること
    @Yam_eye・2011年10月29日 作品から受けた印象を言葉で人に伝えるには二つの方法がある。一つはそれを見たときの自分や周りの人の様子を説明する。もう一つは、比喩的にそれと似た印象の文章を作ってしまう、つまりは詩だ。そして評論は、そのどちらも超えなければならない。
  • 2019.04.25
    3Dプリンターの可能性その1 「ならでは」の価値
    @Yam_eye・2016年07月15日 魔法の機械のように言われた3Dプリンター。普及してみると案外何も作れないじゃないかと言う人も少なくない。でも3Dプリンターでしか作れないものは確かにある。
  • 2019.04.05
    デザインと言葉その1──曖昧な感覚に与える言葉
    @Yam_eye・2018年05月30日 少し作り散らしたら、言葉を与えてみるとよい。心のままに制作したオブジェたちには、さまざまな意思、願望、感覚、生理的な好悪などが入り交じっている。それらを整理し、分離、抽出してぴったりの言葉を与えることができたら、自分が本当に作りたかったものが見えてくる。
  • 2019.03.12
    数学を学ぶということ
    @Yam_eye・2012年07月01日 直角三角形の辺の話だと思ってたサイン(sin)、コサイン(cos)が音色のエッセンスだったり、対数軸という変なスケールが実は人の感覚によく合っていたり、そういうことを早く教えてくれれば、数学のモチベーションがもっと上がったのにと思うのは私だけだろうか。
  • 2019.02.12
    シンメトリーな生き物
    @Yam_eye・2015年10月17日 5億年ほど前から海の中で進化してきた放散虫の形は、重力の影響をほとんど受けていないように見える。無重力下の宇宙生命も、きっとこんな形なのだろう。
  • 2019.01.16
    共感の場としての展覧会
    @Yam_eye・2018年07月12日 論文という記述を通じて互いに理解を深め合うことは互いの成長を促すし、理解し合う喜びもそこにある。でも私にとって同じく、もしかしたらそれ以上に価値あることは「共感」だ。深い共感は体験を通してしか得られない。だから作品を見に行くし、展示もする。
  • 2018.12.10
    好きなことを仕事にする
    @Yam_eye・2014年04月12日 「好きなことをやって生きる」というのは、欲望のままに生きることではない。好きなことと社会との接点を探し続ける、長く苦しい道のりのことを言う。
  • 2018.11.09
    直前の憂鬱
    @Yam_eye・2012年06月09日 ゲラ刷りとか、生産試作とか、自分が作ったものが世に出て行く直前のものを見るのが一番いやです。いろいろ気になっても、もう直せないし。
  • 2018.10.03
    逃げる決断
    @Yam_eye・2018年06月11日 目標が見えない、モチベが上がらない、結局何もできてない…自分への苛立ちが極まったら、完全逃避してみるのも案外悪くないようです。私もかつて、そうしました。今でもそれは最良の決断だったと思っています。運が良かっただけかもしれませんが。
  • 2018.09.05
    ゾウの脚 クモの脚
    @Yam_eye・2010年12月4日 昆虫をそのままのプロポーションで巨大化させた化け物は、脚が細すぎて自分の体重を支えられないというのは有名な話だけど、こういうスケール効果は日常生活では、なかなか実感できない。なんかいい例ないかな。
  • 2018.08.09
    アイデアを手に入れる場所
    @Yam_eye・2011年10月21日 排泄によって人は、一定時間ごとに一人になる。社交的な人もひとときの孤独を取り戻し、機械のように働く人も生き物であることを思い出す。怒っていても泣いていても、冷たい便器に座れば頭が冷える。そう考えると、自分を見つめる装置「鏡」がトイレにあるのは、実に正しい。
  • 2018.07.12
    車の目つき
    @Yam_eye・2012年1月19日<ヘッドランプの歴史> 1970年代には現在のような小型高輝度のランプがなかったために、ヘッドランプは必ずある面積が必要でした。ロープロファイルのスポーティーなフェイスを作るためには、ランプを横長くするか、ホップアップにするしかなかったのです。
  • 2018.06.11
    愛しのサファリ
    スケッチを描くのにラミー社の「サファリ」を使うようになって6年が経過した。正確にいうとサファリの派生商品である、「ジョイ」というカリグラフィー用の万年筆を主に使っているが、私にとってはこれも「サファリ」だ。この万年筆と出合ったのは、二十歳の頃だった。何にも似ていない、形容しようがない魅力を感じた。装飾的な要素は何もなく、すべての形に機能的な意味があった。その出合いが私に大きな衝撃を与え、デザイナーを志すきっかけの一つになったことは、ブログ「デザインの骨格」に記載した通りである。
  • 2018.04.25
    しっくりこない肩書き
    書籍や雑誌で私のプロフィールに添えられる肩書きは、プロダクトデザイナーだったり、インダストリアルデザイナーだったり、あるいは単にデザイナーだったり、ときに大学教授だったりする。なんでこうでたらめなんだと思っていたが、自分の肩書きの無頓着さにあるとき気がついた。

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