
デザインの小骨話
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- 2023.05.10
野生の勘と機械学習 @Yam_eye・2020年4月10日 「野生の勘」あるいは「嗅覚」などと言われる無意識下の統合的認知は、それを信じて行動した経験を重ねることで、少しずつ研ぎ澄まされる。逆に、そうした内的シグナルを無視する行動を重ねるたびに鈍る。 -
- 2023.04.05
ライブスケッチ @Yam_eye・2023年1月23日 フリーのデザイナーから、大学の教授になった時、一つ決めたことがあった。「これからは学生たちの目の前でデザインを行おう」。それしか、教える方法を思いつかなかったのだ。私が、意図して人前でスケッチを描くようになったのはその頃からである。 -
- 2023.03.15
変化する自由 @Yam_eye・2018年11月08日 ぼくがデザイン事務所を5人以上に大きくしなかったのは、「変化する自由、やめる自由」を失いたくなかったからなんですよね。スタッフを雇う時にも「3年後もこの会社があるなんて思わないでください」って念押ししてから雇っていました。長期的な視野で考えたいからこそ、変化する自由が重要なのです。フロンティアは定住の先にはない。 -
- 2023.02.01
清水行雄の見るかたち @Yam_eye・2013年01月01日 構図は、ついつい人や建物をどのように納めるかを考えてしまうが、写真家の清水行雄は、旅行中いつも影の形を見ているそうだ。モノを納めるのではなく影を納める、やってみるとなかなか面白い。 -
- 2023.01.10
美しいモノをつくるということ @Yam_eye・2021年09月27日 見てみたいたいものを作る、面白いと思う方向に動く。そしてそこにイノベーションが潜んでいると信じる。デザイナーの仕事は、人の好奇心に対する信仰を基盤としている。 -
- 2022.12.09
変わらない光景 @Yam_eye・2022年10月22日 先日、久しぶりに義足アスリートたちの練習会に参加した。初心者に肩を貸しながら楽しそうにアドバイスする先輩パラアスリート。一人一人に声をかけ、義足を調整して回る義肢装具士の臼井さん。14年前に私が初めて参加した時とまるで変わらない光景に、涙が出そうになりながら描いたスケッチ。 -
- 2022.10.31
iPhoneのカメラ @Yam_eye・2021年09月20日 あまりに空が青いので、スマホを真上に向けて撮ってみたら、思ったよりドラマチックになった。 -
- 2022.10.06
三宅一生さん @Yam_eye・2016年02月26日 三宅一生さんにお会いした。恐縮にも向こうから声をかけられた。いつも柔らかく、しかし力強いオーラのようなものを身にまとっている。あんな魅力的な人は、そういない。 -
- 2022.09.07
神の「手」? @Yam_eye・2011年08月19日 素材に対する感覚って、作り方の感触をともなってなければ、ホンモノじゃないと思う。少なくとも、ものづくりのプロはその質感が生まれる瞬間を、ただ知識としてではなく「体感」してないと、うまく使えない。 -
- 2022.08.01
やがて文化になる技術 @Yam_eye・2018年11月12日 産業革命のころ、粗悪な日常品が市場にあふれていると嘆く工芸家はたくさんいた。だがやがてその製造技術こそが、新しい「美」の原動力なのだと気づいた人たちが、モダンデザインの源流になった。新技術はいつも粗悪なものを大量に生み出す。しかしそれは、未来の美意識の芽生えでもある。 -
- 2022.06.30
雨の似合う車 @Yam_eye・2021年09月18日 雨が似合う車って、難しいよね。(インフィニティQ45カタログより) -
- 2022.06.06
図鑑の絵 @Yam_eye・2016年12月24日 植物図鑑に描かれる絵は、「あらゆる細部を均等に記述すること」が最優先される。だから本来の視覚効果(影の部分は暗いとか上の葉の影が落ちるとか)や個体の特徴は極力排除され、花や葉の向きも「わかりやすさ」優先で調整される。その意味では、「知識」に特化した抽象画であると言える。 -
- 2022.05.10
博物館 @Yam_eye・2022年04月03日 4月1日付けで愛媛県総合科学博物館の名誉館長を務めることになりました。2020年に亡くなった初代館長、有馬朗人(元東大総長)さんの後任になります。愛媛県新居浜市の別子銅山産業遺産群の麓にある黒川紀章さんの壮大な建築物です。 -
- 2022.04.08
はっさく @Yam_eye・2017年01月31日 「せとかも甘平も美味しいけど、私は昔ながらの『はっさく』が好き」と言ったら愛媛のみかん農家の人にとても喜ばれた。以来そこから毎年箱買いしている。 -
- 2022.02.28
ゆっくり休んで。 @Yam_eye・2015年07月16日 それなりに大きな仕事ができたときは、ゆっくり休みなさい。もちろん、そう簡単に大満足とはいかないでしょうが、達成感をかみしめて眠る時間も大切です。 -
- 2022.02.04
まねから始まる @Yam_eye・2015年01月28日 私は漫画を書き始めたときもデザイナーを始めたときも、最初は徹底的に「神作家」のまねをして絵やモデルを作った。そのうち「自分はどうしてもこうしたい」が見つかる。それが個性の起点。 -
- 2022.01.05
ソースのちびがけ @Yam_eye・2011年10月01日 ホットケーキにかけるメープルシロップも、トンカツにかけるソースも、最初にぐるぐるかけてしまうと、時間が経ってしみ込んでしまった所がなんかもっさりした味になるので、食べる分だけいちいちかけるのは、私だけでしょうか。 -
- 2021.12.13
ユーザビリティ・テスト @Yam_eye・2010年11月29日 商品開発におけるユーザーテストを通じて学ぶことは多い。例えば、人は自分の不満の原因を正しく言い当てることはできないものなのだ、ということがよく分かる。 -
- 2021.11.17
空想と構想 @Yam_eye・2012年02月22日 空想は頭の中だけで完結する物語。構想はそれを現実世界におろすための計画。デザイナーは空想を構想に変えられる人。 -
- 2021.09.29
白い紙 @Yam_eye・2013年12月27日 紙に向かってスケッチしている時間が貴重なのは、あれだ、スケッチブックが、ネットにつながってないからだ。白い紙の上には、ちゃんと「孤独」がある。 -
- 2021.09.07
科学とデザイン @Yam_eye・2013年02月27日 自分の直感を信じてその方向に進むことはデザインの基本だが、実験や調査で科学的に正しくないことが明らかになったときは、ばっさり捨てる。戦っても無駄。 -
- 2021.08.04
廃墟に想う @Yam_eye・2020年04月26日 廃墟とは、人が作った物が自然に帰って行く途中の姿である。自然観察から生まれた科学と文化が人工物という形に一度は結晶し、遺棄され、ふたたび自然に浸食され埋もれて行く。抽象的な輪郭と生命の混沌のコントラストが、深く私たちの心を打つ光景を作る。 -
- 2021.07.12
偶然の必要性 @Yam_eye・2020年04月16日 アイデアのほとんどは、情報の尋常でない接続から生まれる。つまり偶然の産物に近い。だから多くのクリエイターはそのような機会を増やすべく、未知の場所に出かけ、見知らぬ人に出会い、予定にない行動を起こしてみる。それに比べるとオンラインの出会いは、あまりに予定され過ぎている。 -
- 2021.05.31
40歳から @Yam_eye・2012年12月30日 感覚的な全盛時は30代だが、自分が何をしているのか、自分の歴史的な役割が何かが分かってくるのは40代。すでに衰えつつある感覚を、思想と知識でカバーする。 -
- 2021.05.13
カメムシの盾 @Yam_eye・2020年07月07日 カメムシの背中は割れない。てゆうか、カメムシの背中を覆っているのは前バネではなく、カブトムシやコガネムシの背中のT字の真ん中にある小さな▽が巨大化したものらしいです。 -
- 2021.04.09
「脱サラ」の不自由さ @Yam_eye・2011年04月26日 フリーになった頃、ある友人が私の状況を「脱サラ」と表現し、とても違和感を抱いたのを覚えている。確かに私はサラリーマンを辞めたが、すでにそのこと自体はどうでもよかったからだ。「脱○○」という言葉は○○にとらわれている言葉なんだと、そのときに理解した。 -
- 2021.03.22
巣ごもり @Yam_eye・2014年02月08日 アトリエは、今のところ積雪5センチ。外出はあきらめてお布団に戻る。 -
- 2021.01.29
自分のスタイル @Yam_eye・2018年01月23日 「自分のスタイル」というものを表現ではなく、着眼点や方法に求めたい。表現そのものは、もう少し自由に、なりゆきで。 -
- 2021.01.07
手修行 @Yam_eye・2017年12月30日 時間があったら、「手に握るもの」を木材で、心ゆくまで作ってみるといい。手の感触と視覚と素材の循環対話。始めてしばらくは、いつまでたっても終わらないような気がするが、徐々に収束し、ふと調和という終着に至る。 -
- 2020.12.03
SFとデザイン @Yam_eye・2016年7月16日 私たちは科学技術がもたらすであろう価値観を仮説的に提示する。つまりそこにはフィクションがある。だからこそ可能な限り科学的に真摯な「ハードSF」でありたいと常に願っている。 -
- 2020.11.04
プロジェクトの貢献度 @Yam_eye・2014年10月10日 プロジェクトへの自分の貢献度を%で示してもらって、チーム全員分を集計するとほとんどの場合100%を大きく超える。だから成果が高い評価を受けるようになってから貢献度について話し合うと、たいていひどいことになる。 -
- 2020.10.05
木漏れ日はなぜ丸い @Yam_eye・2017年12月09日 木漏れ日は丸い。木の葉と木の葉の小さな隙間を通って、太陽の丸い姿が地面に結像する。みんな見上げてばかりだけど、日食のときには、木漏れ日も欠けている。 -
- 2020.08.28
誰も気づかない完成度 @Yam_eye・2020年07月25日 完成度とは「そんなこと誰も気にしない」修正や改良の集合体である。 -
- 2020.07.31
クルー・ドラゴン @Yam_eye・2019年05月11日 SpaceXが素晴らしいなと思うのは、こういう開発途中の純粋機能部品においても、公開されることを意識して、色彩はもちろん、質感や形状も可能な限り美しくデザインしてあること。日本の重工業系では、計画そのものにこういう予算が設定されない。 -
- 2020.06.29
イカの骨格 @Yam_eye・2013年02月21日 イカは足をそろえてきれいな円錐を作ることにより、両方向に効率よく移動できるところが萌えポイント。 -
- 2020.05.28
遠隔授業 @Yam_eye・2020年04月22日 学生諸君には申し訳ないんだけど、同じ授業を続けていると、だんだんテンション下がっちゃう方なので、今年は全然違うことがやれて、なんか楽しい。 -
- 2020.04.27
未来志向 @Yam_eye・2016年09月01日 未来志向とはぼんやり夢を見て過ごすことではない。今できることの中から、未来につながりそうなことを選んで少しずつ重ねていく、そういう態度のことを言う。 -
- 2020.04.07
2冊の画集 @Yam_eye・2018年08月14日 SIGGRAPHに参加。いきなり原画展に出合って立ちすくむ。20代の頃に一度でいいから原画を見てみたいと憧れ続けたものが、あまりに無造作に目の前にある。泣きそう。 -
- 2020.03.26
憧れのゴルゴ13 @Yam_eye・2017年04月22日 理想のフリーランサーはゴルゴ13だと思う。完璧な仕事。最高の報酬。営業活動なし。値段交渉なし。稼いだ金は自己の鍛錬と仕事の遂行のために惜しみなく使う。 -
- 2020.03.05
30代のうちにしておくこと @Yam_eye・2020年02月01日 デザイナーになる直前に、偉大なデザイナーたちが、何歳のときに何をデザインしたかを一覧表にして調べた。発見したのは、多くの先達が30代前半に最初の「すごい仕事」を残しているということだった。それもあって、29歳で独立したのだと思う。