@Yam_eye・2021年09月18日 雨が似合う車って、難しいよね。(インフィニティQ45カタログより)

1986年に描かれたインフィニティQ45の初期イメージスケッチより部分
1986年に描かれたインフィニティQ45の初期イメージスケッチより部分
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 最近また日産のインフィニティQ45に乗り始めた。きっかけはTwitterだった。とてもきれいな状態で売りに出されているこの車についてツイートしている人を見かけて、思わず「すみません。Q45のデザイナーの山中と申します……」などと返信を送ってしまった。その後、何度かやりとりをするうちに、北海道に住む方からダークグレーメタリックの1台を購入する次第となった。

 はるばる送られてきたQ45は、まるで30年前からタイムスリップしたかのように当時の状態を保っていた。ずっと屋内に保管されていて、エンジンなどを維持するために時々動かしていたという。北国の道路に使われる凍結防止剤は車がさびる原因の一つだが、それを知るかつてのオーナーは、この車を雪の季節には外に出さなかったらしい。一つひとつのエピソードから、この車が深く愛されていたことが伝わってきて胸が熱くなった。幾つかの部品を交換する必要はあったが、今のところエンジン、足回り共にとても快調である。私の元に届いてから1年、Q45は北海道での30年間と同じように、普段は屋内駐車場で暮らしながら、時々共に出かける日々を過ごしている。

 先日、ようやく再開した対面授業のために、Q45を駆って大学に出向いた。その日はあいにくの雨だったが、ぬれた石畳をゆっくり走りながら、ずいぶん昔に雨の石畳を描いたことを思い出した。小降りになったので、古い本館の傍らにQ45を停めてみた。降りて少し離れてから車のほうを振り返り、陶然となった。かつて自分が描いた光景にあまりにも似ていたからだ。

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