@Yam_eye・2017年01月31日 「せとかも甘平も美味しいけど、私は昔ながらの『はっさく』が好き」と言ったら愛媛のみかん農家の人にとても喜ばれた。以来そこから毎年箱買いしている。

八つ切りにした八朔の皮(図学っぽく描いてみました)
八つ切りにした八朔の皮(図学っぽく描いてみました)

 結婚してまもない頃のことである。妻と「どんな果物が好きか」のようなことを話しているうちに、それぞれのベストフルーツを書き出してみようかということになった。妻のベストワンは「さくらんぼ」、私の1位は「はっさく」だった。2位以下に何を書いたかは覚えていないが、「え、はっさく?」という顔をされたのはよく覚えている。

 八朔(はっさく)は1860年に広島県の因島(いんのしま)で発見された品種であるという。因島は、本州と四国の間の島々をつないで走る高速道路「瀬戸内しまなみ海道」の、尾道から今治に向かって2番目の島である。古くは海賊「村上水軍」の拠点として知られる。明治以前には、水軍が各地から持ち込んだ柑橘類が温暖な気候に恵まれて自然交配を繰り返し、60種ほど自生していたらしい。そんな中で偶然に生まれたのが八朔の原木だそうだ。大正から昭和にかけて造船業の発展とともに広まり、銀座の千疋屋も扱うようになって全国的に知られるようになった歴史があるそうだ(岡野周蔵著『因島柑橘史』柑橘同志会、2009年)。

 八朔は、私の幼少期の愛媛県ではすでにポピュラーな大型柑橘類の一つだった。爽やかさが子供の頃から気に入っていたが、東京に来てからはあまりおいしい八朔に出会ったことがなく、妻がピンとこないのも無理はないと思っていた。

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