@Yam_eye・2020年07月07日 カメムシの背中は割れない。てゆうか、カメムシの背中を覆っているのは前バネではなく、カブトムシやコガネムシの背中のT字の真ん中にある小さな▽が巨大化したものらしいです。

平井文彦氏の動画を参照しながら描いたチャバネアオカメムシ
平井文彦氏の動画を参照しながら描いたチャバネアオカメムシ

 このコラムにもときどき虫の話題を出す程度には昆虫好きの私だが、当然ながら苦手な虫もいる。カメムシもその一つである。うっかり刺激するととんでもない悪臭を放つことは有名で、俗称ヘッピリムシ、英語でもStink bugs(臭い虫)と呼ばれる。よく覚えていないのだが、おそらくは幼い頃にカメムシの匂いの洗礼を受けたのだろう。見かけるだけでなんとなく、身がすくんでしまう。アトリエが森に面しているので、春から夏にはしばしばこの虫の来訪を受けるのだが、そっと紙の上に乗せて窓の外に運び出すのが常である。

 そんな「なんとなく嫌な虫」以上には、これまで関心がなかったカメムシ。しかし2018年にインターネット上で、ある動画を見てから認識が一変した。「格納式の翅いろいろ」と名付けられたそのムービーでは、さまざまな昆虫が飛び立つ様がスローモーションで紹介されていた。虫ごとに異なる翅の展開方法はそれぞれにとても興味深かったが、中でも特に印象的だったのがカメムシだったのである。

 ムービーを制作したのはネーチャー系クリエイター集団「Tokyo Bug Boys」を主宰する平井文彦さん。数年前からアマチュアとしてさまざまな昆虫の動画をネット上で発表し、今日ではメディアや学術の場でも大活躍の映像作家である。幸いなことに21_21 Design Sightで開催された「虫展」のイベントで彼と壇上で話す機会があり、直接カメムシの翅の構造についてお話をうかがえた。

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