@Yam_eye・2017年12月09日 木漏れ日は丸い。木の葉と木の葉の小さな隙間を通って、太陽の丸い姿が地面に結像する。みんな見上げてばかりだけど、日食のときには、木漏れ日も欠けている。

車両は著者が所有していたスズキジムニー550 SJ30 キャンバストップ
車両は著者が所有していたスズキジムニー550 SJ30 キャンバストップ

 子供の頃から、光と影のコントラストに強く引かれる。この連載でも光と影に関する文章は、何度か書いたように思う。夕方の木の幹に刻まれる凹凸、雪山の明暗、窓辺のグラスが机の上に展開する光の文様、望遠鏡で見上げる半月……写真を撮ったり、SNSに上げてみたりもする。中でも木漏れ日などは最たるもので、出合うたびにしばし見ほれる。

 木漏れ日が丸いことに気がついたのは、風景の観察からではなく、ある漫画がきっかけだった。その漫画には若いバイク乗りの日常が描かれ、作者のバイクへの愛情が全編から感じられた。劇中にはバイクを深く傾けたコーナリングなどのスリリングなシーンもふんだんに見られたが、その漫画表現の中で私が特に引かれたのは、バイクと共にある日常の光景だった。

 主人公はいつもバイクで出かける。ちょっとした買い物も、カフェに出かけるのも、友人に会いに行くのも。愛車は、しばしば木陰に置かれた。作者としては木漏れ日の中でキラキラと輝くバイクの魅力を描きたかったのかもしれないが、私の目にとまったのは、木漏れ日として描かれた大小の白い楕円だった。手前から奥に連なる光の楕円は、爽やかで少しまぶしい初夏の光景そのものに見えた。そのとき気づいた。ああ確かに、木漏れ日って丸かったかもしれない……と。

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