@Yam_eye・2015年06月12日 デザイナーのスケッチは、作品ではない。それは思考の通過点にすぎず、役割を終えて打ち捨てられた残骸である。しかし、創作という事件を解き明かしたい探偵にとっては、十分貴重で、面白い。

[画像のクリックで拡大表示]

 2019 年11月22日から、東京ミッドタウンにあるデザインミュージアム21_21 DESIGN SIGHTで「㊙展」が開催されている。この展覧会は、さまざまな分野のデザイナーたちが、作品制作時に描いたスケッチやカンプ、あるいは試作品などの現物を集めたものだ。私もここに約60点のスケッチを展示する。

 「ほとんどスケッチのまま製品化されるものなんですね」と、私が描いたものを見た多くの人は言う。確かに最終スケッチは、ほぼ製品そのままの姿を表現しているように見える。しかしそれはその段階のスケッチが、構造や製造方法、あるいはユーザビリティーの検討も済ませた後の姿なので、ほぼそのまま製品化できてしまうだけのことだ。スケッチは開発の思考プロセスそのものなので、当然のことながら、初期スケッチは製品とまるで違う場合もある。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。