前回はメタバースの法律と権利について、さわりを解説してもらったが、その後もブームはいっこうに収まる気配がなく、毎週のように新しい本が発売されている。そこで、いよいよ自分もメタバースを始めようと考えた場合に気を付けたいことは何かを聞くため、再び福井弁護士を訪れた。
▼前回の記事 メタバースは何の法律で管理される? 権利は? 弁護士が解説Q1 どのメタバースから始めましょうかね?
A1 知らないよ。ゲーム好きとか、SNS(交流サイト)好きとか、投機目的とか、その人次第だろう。
Q2 例えばゲーム好きなら何がありますか?
A2 無数にあるが、代表格はやっぱり『Fortnite』と『Roblox』か。Fortniteは前回紹介したね。世界最大級のメタバース・バトルゲームだ。他方、Robloxは潜在力からすればそれ以上かもしれないね、こちらはよく、VR(仮想現実)ゲーム版のYouTubeなんていわれる。
ユーザーは誰でも簡単にゲーム(いわば1つの世界)を作れて、そこでほかのユーザーが遊べるんだ。ちょうどYouTubeに動画を上げて、誰でもそれを見られるのと一緒だね。いまやDAU(平均日間利用者数)は約5000万人とすさまじい数だ。
しかも、その相当数が10歳未満。つまり子供たちがブームの主役で、ゲームを作ったりそこで遊んだりしているんだ。お金のやり取りもできる。色々なデジタルアイテムの取引(メタコマース)が巨大市場化しているよ。
Q3 はあ、これはハードルも低くて、面白そうですね。
A3 あと、典型的なメタバースといえるかはともかく、任天堂の「あつまれ 動物の森」(あつ森)は、世界的な大ヒット商品だね。ユーザーがDIYで色々なアイテムを作れる。その垣根を極限まで低くした点(ノーコード化)は、さすがというほかない。
Q4 じゃあSNS系はどうですか。
A4 まあ一強は『VRChat』だろう。メタバースの住民はアバターに強いこだわりを持っているケースが多く、お仕着せのようなアバターを使うしかない世界にはあまりときめかない。VRChatは独自のアバターのアップロードが可能なんだ。そしてやっぱりユーザーは自分で自由に世界(ワールド)を作れて、誰でもそこを訪れることができる。色々なビジネスやイベント、撮影会などが至るところで繰り広げられているね。
VRHMD(ヘッドマウントディスプレー)を着けっぱなしにしてログイン状態を続け、眠るときもそのまま眠る。いわばメタバースに「住んで」しまうユーザーが現れたのも、VRChatが代表格だろうね。
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