正確な費用算定の難しさから一定額の手当を支給する会社が増加

Q3 私用と業務用で切り分けが難しい費用については、会社と従業員でどのように負担すべきなのか。

A3 私用と業務用で切り分けができる費用については、実費精算で会社負担とする必要がある。また、切り分けができる費用か否かにかかわらず、就業規則に規定すればすべてを従業員負担にすることはできるが、従業員の負担が大きくなるため、現実的な対応ではない。

 私用と業務用の費用の金額について切り分けができない以上、従業員が実際に負担している費用を算出できないことから、一定額を従業員に支給する会社もある。しかし、この場合にも注意が必要である。会社が一部でも費用を負担していれば問題がないように思われるかもしれないが、一定額を支給していたとしても、それを超える費用を従業員が負担していれば、従業員は業務のための費用を負担していることになってしまう。このような場合、会社が従業員に対して支給する額を超える部分は、従業員に負担させることを就業規則やテレワーク規程に定める必要がある。

会社と従業員との費用負担のパターンと就業規則の記載方法
会社と従業員との費用負担のパターンと就業規則の記載方法

Q4 会社がテレワークに関する手当を一定額で支給する場合、就業規則(テレワーク規程)をどのように変更する必要があるのか?

A4 通信費用や水道光熱費について、会社が従業員に対して一定額を支給し、それを超える部分を従業員に負担させる場合には、厚生労働省が作成する「テレワークモデル就業規則~作成の手引き~」の通り、次のように就業規則やテレワーク勤務規程に定める方法が考えられる。

 第○条 在宅勤務者が負担する自宅の水道光熱費及び通信費用(ただし、資料送付に要する郵便代は除く。)のうち業務負担分として毎月月額○○○○円を支給する。

 ただ、本来的には、業務で必要になる費用はすべて会社が負担することが望ましい。そのため、例えば従業員に、テレワークをしていなかったときとテレワークを導入したときの通信費用や水道光熱費などを比較させて、テレワークをしたことで増えた通信費用や水道光熱費などを算出してもらい、1年間のテレワークの実績からテレワークを導入したことで増えた費用を、アンケートなどの手段により従業員に確認してみることが考えられる。そのような調査などのうえで、具体的な金額を算定し、できるだけ従業員に自己負担分が発生しないよう、全社的な定額の支給額を定めることが望ましいと思われる。