改正著作権法が2020年10月1日に一部施行され、残りの改正部分も21年1月の施行が迫る。思えば、ダウンロード違法化論争の大炎上で始まった今回の改正法。仕切り直しの難産の末に最後は与野党全会一致での成立だったが、果たして何がどう変わるのか? 福井健策弁護士に聞いた。

(写真/Shutterstock)
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Q1 著作権法が改正されるらしいですね。5分で内容を教えてください。

A1 5分って、なぜいつもそう無精なのか!……まあ、もうがんばってみよう。まず、海賊版などの違法コンテンツのダウンロードが違法になる。

Q2 海賊版をダウンロードするのって、前から違法だったんじゃないんですか?

A2 うん、人の著作物のダウンロードは「複製」だから、海賊版でなくても本来自由ではない。だが、著作権法には「私的複製」という有名な例外規定がある。個人的な楽しみや勉強のためのコピーは自由なのだ。従来は、これは相手が海賊版であっても同じだったのだが、海賊版などと知りながらダウンロードするのはあんまりだろうとなって、まず映像・音楽のダウンロードが先行して違法になった。つまり、私的複製は認められなくなった。

 今回はこれが漫画などすべてのコンテンツに拡大されたのだ。ただし、「違法にアップロードされたコンテンツだな」とはっきり知りながらダウンロードする場合だけが違法になる。特に、反復継続する場合には刑事罰もあるので要注意だ。

Q3 スクリーンショット(スクショ)も違法になるって、騒ぎになってましたね。

A3 例えば、SNS上の画像に人の著作物が使われていれば、理論上は「違法アップロードされたコンテンツ」だ。それを、研究とか参考とか、そういった理由で誰かがスクショで記録すると、これまた理論上はダウンロードだ。それが違法になるというのでは人々の自由な活動が萎縮する、という批判があった。

 また、二次創作の同人漫画などは理論上は原作に対する違法アップロードとも言えるが、二次創作作家が自らアップしているものをそのファンがダウンロードしても、原作に対する違法ダウンロードとなっては、やはり萎縮するという批判も強かった。

Q4 あったあった。

A4 「あったあった」じゃない。出直し後の議論では、先ほど説明した「知りながら」という条件を加えたほか、「軽微」な部分のダウンロードは対象外になった。また、二次創作物のダウンロードは(原作との関係では)違法化の対象から除かれた。さらに、別な条文で「人の作品の映り込み」をOKとする規定があるのだが、これも今回条件を緩和するとともに、対象にスクショも含まれることを明確化した。

 その結果、スクショした画像に違法アップロード物が軽微に含まれている場合は、たとえその部分は違法と知りながらスクショしたとしても、適法になったのだ。こんな風に、本当に悪質な海賊版のダウンロードだけが違法になるよう、かなり絞り込んだのが今回の改正法だ。

Q5 あと、リンクも違法になるんですか?

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