2020年9月、NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った預貯金の不正出金が相次ぎ、問題となっている。すでに200件以上、3000万円近い被害が報告されており、今後さらに増加する可能性がある。今回は、ドコモ口座の問題点について弁護士の二木康晴氏に聞いた。

ドコモ口座の対策強化についての会見冒頭でおわびするNTTドコモの丸山誠治副社長(写真/日刊工業新聞/共同通信イメージズ)
ドコモ口座の対策強化についての会見冒頭でおわびするNTTドコモの丸山誠治副社長(写真/日刊工業新聞/共同通信イメージズ)

Q1 「ドコモ口座」とはどのようなサービスなのか。

A1 ドコモ口座は、銀行口座を登録して入金すれば、NTTドコモが運営するコード決済「d払い」で、買い物や送金ができるサービスである。メガバンクを含め35の銀行がドコモ口座と提携しており、事前に預貯金口座を口座振替によって連携することで、月額30万円を上限に入金(チャージ)することができる。

Q2 今回の事件の概要はどのようなものか。

A2 今回の事件の概要は以下の図のように整理することができる。

想定される具体的手口
想定される具体的手口

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