2020年7月20日、アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機を載せたロケット「H2A」が、日本の種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。また、同月23日には中国、同月30日には米航空宇宙局(NASA)が、それぞれ火星探査機を打ち上げている。今回は、宇宙資源の法的な取り扱いについて、弁護士の二木康晴氏に聞いた。

基地を設置して火星を探査するイメージ写真(写真/Shutterstock)
基地を設置して火星を探査するイメージ写真(写真/Shutterstock)

Q1 宇宙資源には世界的に注目が集まっているのか。日本はどのような対応をしているのか。

A1 冒頭で示したように探査機が次々に打ち上がるということは、宇宙資源には世界的な注目が集まっているといえる。その中で日本は、2010年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰った。月以外の天体に着陸して採取した試料を地球に持ち帰るのは世界初の試みである。

 また、19年には、「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」へ着陸し、地中からの試料の採取に成功したと発表している。日本は、宇宙資源の回収において先行しているといえるだろう。

Q2 宇宙資源にはどのようなものがあるのか。

A2 地球に落ちた隕石(いんせき)の成分などから、小惑星の組成をある程度推測することができる。小惑星には、鉄、ニッケル、プラチナ(白金)などが含まれていると考えられている。米国企業のプラネタリーリソーシズの小惑星データベース「Asterank」には、数十億から数兆円の価値を資源として含む小惑星が一覧表示されており、「リュウグウ」は20年8月時点で10兆円近い価値があると評価されている。

 また、宇宙空間では水も貴重な資源となる。水は電気分解することで水素と酸素に分けることができ、これをロケットのエネルギー源として利用することもできる。例えば、月にある水を利用して、ロケット燃料を補充する中継地点として活用することも考えられる(月は、地球よりも重力の影響が少なくロケットを発射しやすい)。

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