スタートアップと大企業がオープンイノベーションなどで提携する機会が増えている。2020年6月30日、公正取引委員会は、スタートアップの取引慣行についてアンケート調査を実施し、その結果等について、中間報告を発表した*1。今回は、同報告書について、弁護士の二木康晴氏に聞いた。

大企業とスタートアップの関係性を示したイメージ(写真/Shutterstock)
大企業とスタートアップの関係性を示したイメージ(写真/Shutterstock)

Q1 スタートアップと大企業との提携は増えているのか。

A1 近年、大企業がスタートアップと連携することで、新たな価値を創造するオープンイノベーションのニーズが高まっている。大企業側からも積極的にアプローチするような事例は増えている。

 もっとも、大企業に比べ、スタートアップは創業間もないという事情もあり、十分な社内体制が構築できていない会社も多い。そのため、いざ大企業と提携などをする際には、問題が生じることも少なくない。

 今回、公正取引委員会は、スタートアップの取引慣行の実態を明らかにするために、創業10年以内の非上場スタートアップの5593人に対してアンケートを送付し、1447人の回答を得ている。このアンケートによれば、約15%のスタートアップが、大企業等から納得できない行為を受けた経験があると回答している。

Q2 どのような行為があるのか。

A2 例えば、秘密保持期間が短いNDA(秘密保持契約)を提示されたり、自社の重要な資料を他社に開示されたりする。また、PoC(技術検証)契約段階では、契約範囲外の追加作業を求められ、かつその対価が支払われなかったり、PoC後の契約締結をほのめかされて無償で役務を提供させられたが、結局、契約が締結されなかったりした事例などがある。

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