2020年3月10日に閣議決定され国会に提出されていた「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が同年6月5日に国会で可決・成立、6月12日に公布された(令和2年法律第44号)。改正のポイントおよびデータビジネスへの影響、改正の意義を、前後半に分けて中崎尚弁護士に聞いた。

参院本会議 改正個人情報保護法を2020年6月5日に可決 (写真/共同通信)
参院本会議 改正個人情報保護法を2020年6月5日に可決 (写真/共同通信)

Q1 改正個人情報保護法が成立したとのことだが、施行はいつになるか。

A1 改正個人情報保護法(以後、「改正法」)は、一部の規定を除き、公布の日(2020〈令和2〉年6月12日)から起算して2年を超えない範囲内において、政令で定める日から施行することとされている。このため(改正法附則第1条)、施行時期は2021年後半から2022年前半が予想される。また、改正法は成立したものの、実際に施行するためには不明点も多く、今後、個人情報保護委員会規則やガイドラインなどによってそれらの事項が明らかにされるのを待つ必要がある状況だ。とりわけ、以下の事項については、衆議院の附帯決議*1において、施行に当たって適切な配慮を行うこととされており、議論の動向に注意が必要である。

  1. 個人情報の定義を明確化し、国民に分かりやすくすること。
  2. 匿名加工情報および仮名加工情報の作成基準づくりにおいて、バランスに配慮すること。
  3. 個人情報の漏えいなどの報告および本人への通知の義務化の対象を明確化すること。さらなる措置も検討すること。
  4. 保有個人データの開示方法、第三者提供記録の本人開示、利用停止・消去権などの個人の権利の拡充に伴い、その目的と実効性を確保するため、その趣旨などをガイドラインなどで具体的に示すこと。
  5. 個人関連情報の第三者提供の制限などについて、その実効性を確保するために解釈基準を明確にすること。運用状況を踏まえてさらなる検討を行うこと。
  6. データの利活用による個人の権利利益に対する影響が多様化していることから、個人情報保護委員会は、民間の実態を常に広く把握し、制度面を含めた検討を随時行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

Q2 今回の法改正はどのような目的で行われたものですか。

A2 15年に個人情報の利活用を重視する方向で個人情報保護法が改正された際、03年の個人情報保護法の運用開始から10年以上経過していて大幅な見直しが必要になったこともあり、次回は施行から3年をめどに見直しを行う方針が定められた。今回の法改正は、この3年ごとの見直しの方針に沿ったスケジュールで進められたものだ。今回の見直しの中で、個人の権利利益の保護が不十分ではないかとの意見が多く寄せられたこともあり、改正法では、個人の権利利益の保護が重視されている。

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