総務省は「発信者情報開示の在り方に関する研究会」を立ち上げて2020年4月30日、第1回の研究会を開催した。今後、20年7月ごろに中間取りまとめ、同年11月ごろに最終取りまとめを実施する予定だ。開示請求を“する側”として研究会に参加した清水陽平弁護士に、どのような点が検討課題として挙げられているのか聞いた。

白いマスクとフードをかぶりネットで中傷する匿名の投稿者のイメージ(写真/Shutterstock)
白いマスクとフードをかぶりネットで中傷する匿名の投稿者のイメージ(写真/Shutterstock)

 この研究会は、発信者情報開示請求に関する現状を確認し、プロバイダ責任制限法における発信者情報開示請求に関する現状を確認した上で、開示対象となる情報の見直しや、手続きを円滑にするための方策などについて検討するためのものだ。なお、時節柄、第1回の研究会はウェブ会議により行われた。

Q1 研究会が開催された背景にはどのようなものがあるか。

A1 プロバイダ責任制限法が成立したのは2001年であるが、それ以降、ネット選挙関連での条文の追加と、プロバイダ責任制限法4条1項に関する省令(以下「省令」とする)の改正があっただけで、抜本的な改正などがされたことがなかった。

 そのような中で、インターネット上のサービスの多様化、特にスマートフォンの普及に伴って、総務省の運営する違法・有害情報相談センターへの相談件数は、受け付けを開始した10年と比べて19年は約4倍に増加した。また、インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件も高止まりを続けている。これらのことが背景にあると指摘できる。

Q2 プロバイダ責任制限法の現状の課題はどのようなものか。

A2 開示することができる情報が限定されており、投稿者(発信者)を特定できない例が増えていることや、法律が制定された当時には予定されていなかった形式のサービスが提供されていること、投稿者を特定できるまでに比較的時間がかかってしまうことなどが主要な課題だ。

プロバイダーが開示できる情報を増やす方向へ

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