写真家が、人とすれ違う瞬間に、いきなりカメラを向けてすれ違う人を正面から撮影する様子を映した富士フイルムのカメラのプロモーションビデオが、公開されるや否やネットで炎上。ものの数時間で動画が削除され、富士フイルムが謝罪する事態に発展した(以下「富士フイルム動画炎上事件」)。そこで、炎上の原因となった街中で人を撮影することの問題点について、フランテック法律事務所代表の金井高志弁護士に聞いた。
Q1 富士フイルム動画炎上事件は、いったい何が問題で炎上してしまったのか?
A1 写真家が街行く人を何らの承諾も得ることなしに撮影していたことに対し、「急に撮られるのは怖い」「肖像権侵害なのでは?」といった批判が殺到し、炎上した。
まず、人には「肖像権」という権利が認められている。この「肖像権」とは、「承諾なしにみだりに自己の容貌・姿態を撮影されない権利」である。そのため、街行く人を何ら承諾なしに撮影することは、正当な理由なく人の容貌を撮影したことになり、肖像権侵害となる。これが富士フイルム動画炎上事件の問題点であった。
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