前回(参考記事「AIによる契約書レビューは実用の域に達しているか」)はツールの1つ、「LegalForce」を取り上げ、AI(人工知能)による契約書レビューの到達点を見た。今回は、GVA TECH(東京・渋谷)の「AI-CON Pro」を取材し、高橋喜一弁護士がAIによる契約書レビューについての考察を深める。

契約書レビューのイメージ
契約書レビューのイメージ

Q1 最初に、「AI-CON」のサービスラインアップについて教えてほしい。

A1 これまで、AIによる契約書チェックサービス「AI-CON」や、法人登記支援サービス「AI-CON登記」などのサービスを提供してきたが、2019年11月に「AI-CON Pro」というエンタープライズ向けのサービスをβリリースした。β版ではあるが、同年9月から複数の企業で先行導入しており、そこで受けたフィードバックを反映して本格提供に至った。

Q2 「AI-CON Pro」の主な機能は何か。

A2 大別して4つの機能がある。(1)レビューすべき契約書を、既存の自社ひな形と比較して不足している項目を検出する「不足項目」機能、(2)事前に設定しておいた削除項目などを検出する「削除項目」機能、(3)事前に設定しておいたひな形と同様の項目が書いてある条文を見つけてカーソルを当てる「フォーカス」機能、(4)社内の既存ノウハウを表示する「解説」機能である。

カスタマイズ性が高いというのは興味深い。法務というのは普遍的な扱いと、企業独自の扱いが混在する仕事であり、契約書のレビューにおいても、企業ならではのチェックポイントが存在することはしばしばある。他の契約書レビューツールとの大きな差はこのカスタマイズ性であろう。(高橋)

比較すべき契約書のひな形も用意されている

Q3 AI-CON Proの特長はカスタマイズ性ということだが、導入時に既存の契約書などをアップロードする必要があるのか。

A3 確かにAI-CON Proの特長はカスタマイズ性であるが、必ずしもその必要はない。AI-CON Proは導入企業の自社ひな形とは別に、GVA TECHが用意した「AI-CON雛形」と呼ばれるひな形集をベースにレビューを行うことも可能である。

Q4 「不足項目」機能というのはどのような機能か。

A4 自社ひな形と比較して、通常入っているはずの条項が欠落している場合にアラートが表示される機能である。

「不足項目」機能は、必須条項の欠落がないかを指摘する
「不足項目」機能は、必須条項の欠落がないかを指摘する

例えば業務委託契約で、仕様の決定方法などについての条項を社内で設けている場合に、それが欠落していることを指摘してくれる。書籍など既存の契約書式集は、書籍という仕様上最大公約数的なものが多いのだが、会社独自の必須項目を設け、その欠落の有無をチェックできるというのは興味深い。他方で、「削除項目」機能というのは、自社ひな形にないものがレビュー対象文書にあった場合、それを指摘してくれる。例えば高額な違約金条項が一方的に設けられている場合などは、それを見逃さずに済む。(高橋)

「削除項目」機能は、本来あるべきでない条項の削除を提案する
「削除項目」機能は、本来あるべきでない条項の削除を提案する
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