海外のeスポーツ大会では優勝者・入賞者に高額賞金が提供されるのが一般的だが、日本国内では高額賞金の提供が各種の法規制に抵触する恐れが大きいとされてきた。議論のポイントおよび先日のJeSUの活動報告を含む最新の状況を、中崎尚弁護士に聞いた。

21018年10月にロシアの首都モスクワで開催されたeスポーツの大会の模様
21018年10月にロシアの首都モスクワで開催されたeスポーツの大会の模様

 2019年9月のTGS(東京ゲームショウ)において、JeSU(日本eスポーツ連合)が行った活動報告に見られるように、日本国内でeスポーツ大会を開催する際の法規制に関する議論が大きな進展を見せようとしている。景品表示法による景品規制下においてどのような整理が可能なのか、あるいは、刑法の賭博罪への該当可能性、さらには、風俗営業法によるゲームセンター規制の適用可能性など、これまで問題提起されてきた論点について、いよいよ議論が固まってきた段階にあると言えるだろう。

Q1 eスポーツとは何でしょうか。

A1 eスポーツとは、「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームで行われる競技をいう。eスポーツでは、コンピューターゲームをプロ野球やJリーグなどのようにイベント会場に大勢の人を集めて競い合わせる大会形式で行われることが一般的である。欧米や日本を除くアジアの国々ではかなりの盛り上がりをみせており、賞金総額10億円の大会が開催されるなど、賞金の高額化の傾向が進んでいる。

 これらの流行を背景に、eスポーツで生計を立てる「プロゲーマー」の存在も珍しいものではなくなり、プロ認定制度を提唱する団体も登場してきた。これまで、日本はeスポーツの分野では立ち遅れが指摘されており、その原因として、(1)ゲームは遊びであって、「スポーツ(競技)」に値するものではないという考え方の影響、(2)日本国内では長年にわたり、家庭用ゲーム機の文化が隆盛だったことの反動、(3)解決できない法規制が多いこと、などが指摘されてきた。

Q2 景品規制(景品表示法)との関係で何が問題になるのでしょうか。

A2 日本国内では、懸賞を含む景品は最高額および総額が、不当景品類及び不当表示防止法(以下、「景品表示法」という)によって規制されている。詳細は、景品表示法の告示である「不当景品類及び不当表示防止法第2条の規定により景品類及び表示を指定する件」(昭和37年公正取引委員会告示第3号「定義告示」)、「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(昭和52年公正取引委員会告示第3号「一般懸賞告示」)および「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」(昭和52年公正取引委員会告示第5号「総付景品告示」)並びに各運用基準によって定められている。

 整理すると、以下の通りとなる。

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