就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは2019年8月5日、学生の内定辞退率を採用企業に提供するサービス『リクナビDMPフォロー』について、学生7983人から同意を得ていなかったと発表し、同サービスを廃止した。弁護士の二木康晴氏に、AI(人工知能)ビジネスでデータ活用する際の注意点を聞いた。

リクルートキャリアが発表したサービス廃止などを知らせるリリース
リクルートキャリアが発表したサービス廃止などを知らせるリリース
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Q1 今回廃止されたサービスは法的に問題があったということか

A1 個人情報保護法では、本人の同意を得ないで、個人情報を第三者に提供することを原則として禁止している(個人情報保護法第23条)。

 リクルートキャリアの発表によれば、今回のサービスでは、約8000人の学生から同意を得ずに、第三者であるクライアント企業に個人情報を提供していたことになる。このため、個人情報保護法違反となるだろう。

Q2 この問題がここまで大きくなったのは、やはり法律違反であったことが原因なのか。

A2 現在の個人情報に関する意識の高まりからすれば、単に法律を順守しさえすれば問題はないという時代ではなくなっている。たとえサービス自体が適法だったとしても、道義的・倫理的に問題があれば、すぐに炎上し、企業の信用や評判を落とすことになる。このため、企業は法律違反だけではなく、レピュテーションリスクにも配慮する必要があるだろう。

Q3 AIビジネスにおいて、個人情報等のデータを取得・利用する際にはどのような点に注意するべきか。

A3 一般的に、個人情報等のデータを取得する場合には、あらかじめ利用者の同意を得るべきだと言われる。もちろん同意を取得すること自体は間違いではないが、利用者は、利用規約やプライバシーポリシーをほとんど読んでいないのが実態であり、形式的にクリックさせたとしても、それが万能な「免罪符」となることはない。

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