キリンビールや資生堂といった大手企業が新規参入するなど、サブスクリプションビジネスが注目を浴びている。今回は、それらの類型を解説し、最も問題となる利用料の値上げの際に事業者が注意すべき点などについて、フランテック法律事務所代表の金井高志弁護士に解説してもらった。

Q1 サブスクリプションビジネスとは?

A1 まず、サブスクリプションビジネス(方法・方式)とは、サービス・商品に対して、利用者から、その都度、対価を支払ってもらうのではなく、一定の利用期間に対して、継続的に、対価を支払ってもらう課金ビジネスのことだ。

Q2 サブスクリプションビジネスが近年注目を浴びている理由は何か?

A2 サブスクリプション(subscription)という言葉には、英語ではもともと、新聞・雑誌等の定期購読という意味がある。実際、このような新聞や雑誌の定期購読やスポーツジムの月額利用権などのサブスクリプションビジネスは、昔から存在していたものである。

 それにもかかわらず、近年、サブスクリプションビジネスが注目を浴びているのは、まず、サービスについては、デジタルのソフトウエアやコンテンツに対するサブスクリプションビジネスが登場したこと、また、商品についても、買い切りではなく、使い放題、いわゆる「所有から利用へ」という流れの中で商品利用のシェアを前提とするものが登場したことが大きな理由と考えられる。

 さらに、サービスや商品について、利用者の趣味・嗜好(しこう)などにあったものを個別に選べるパーソナライズドサービスが出てきていることも、注目されている理由の1つと考えられる。これらのことから、サブスクリプションビジネスは、古くて新しいビジネスモデルといわれている。

利用者の支払う利用料にはさまざまなモデルがある

Q3 サブスクリプションビジネスはどのように分類されるのか?

A3 現在行われているサブスクリプションビジネスは、その対象について、サービスと商品とに分けることができる。

 サービスについては、動画配信(Netflix)や音楽配信(Spotify)などのデジタルコンテンツを利用するものと、スポーツジムを利用する権利などの施設や場所を利用するものとに分けることができる。

 商品については、サブスクリプションビジネスの主な内容を(ⅰ)利用者による定期的な物の購入である場合(継続的な売買契約)と(ⅱ)定期的な物の借り受けである場合(賃貸借契約)とに分けることができる。

 前者の定期的な物の購入の場合は、さらに、購入対象について、その物(本体)だけが購入対象となる場合(その物に付属する消耗品がない場合)と、(本体のための)消耗品が購入対象となる場合(いわゆる「消耗品モデル」)とに分けることができる。このうち、(本体のための)消耗品が購入対象となるサブスクリプションビジネスでは、さらに、その消耗品を使用する本体を購入するもの(例:The Roast パナソニック)と、そのような本体を借り受けるものとに、分けることができる。

 他方、サブスクリプションビジネスにおける利用者からの利用料については、単純に毎月一定額の利用料を徴収するモデルが基本的なものである。しかし、その他に、サブスクリプションの利用期間において、利用者が実際にサービスや商品を利用している量に応じて利用料を支払ってもらう、従量制のモデルもある。このようなビジネスモデルは、「リカーリング」と呼ばれることがある。さらには、利用期間において実際に商品を借り受けている期間だけ利用料を支払ってもらうモデルもある。

サブスクリプションビジネスを分類してみた表
サブスクリプションビジネスを分類してみた表
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