Google、Amazon、Facebook、YouTube、Twitter、Netflix……。私たちが利用している多くのサービスはレコメンド機能を活用している。AI(人工知能)は膨大な情報を学習し、私たちが望む情報や商品・サービスを自動的に提供するパーソナライズ化を進める。今回は弁護士の二木康晴氏に、AIによるパーソナライズ化がもたらす問題などについて聞いた。
Q1 AI(人工知能)によるパーソナライズ化とは何か?
A1 AIは、膨大な個人情報などを学習することで、個々人の好みや傾向を把握し、最もふさわしい情報やサービスをレコメンドできるようになる。例えば、ニュースサイトを見ていると自分の興味・関心のある記事やニュースがトップに流れてきたり、ECサイトで自分の欲しい商品がレコメンドされたりするようになる。自分が欲しい情報や商品・サービスをいちいち探しだす必要がなくなり、利便性は高まる。
Q2 とても便利である一方で、プライバシーの侵害などが懸念されるのでは?
A2 事業者は、消費者の購入履歴や閲覧履歴、SNS上のアクションなどに基づいて、どのような記事・ニュースや商品に関心があるかを把握することができる。特に、個人の思想・信条といった非常にセンシティブな領域まで明らかになってしまう可能性もあり、その影響は小さくない。
もっとも、消費者の中には、それによって便利な生活が享受できるのであれば、少しぐらい自分の好みが知られてもよいと考える人はいるかもしれない。例えば、高級ホテルや旅館が、常連客の好みを完璧に把握してきめ細かいサービスを提供すれば、好感度は上がるのではないだろうか。
むしろ極端なパーソナライズ化は、個人の関心や傾向を固定化する「フィルターバブル」という別の問題を引き起こす可能性があることに注意しなければならない。
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