2018年7月、経済産業省がAI(人工知能)スピーカーの誤発注問題に関する見解を「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂に盛り込んだ。AIスピーカーを使ってサービスを提供する事業者にとっては重要な見解になる。その詳細をフランテック法律事務所代表の金井高志弁護士に聞いた。

Q1 経済産業省が18年7月、AIスピーカーの誤発注問題に関する見解を「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂に盛り込んだ経緯は?

A1 AIスピーカーの普及が進んでいる米国では、AIスピーカーがテレビの音声を拾ってしまい、人形や菓子が大量に届くなど、AIスピーカーを利用した電子商取引において誤発注が発生し、問題となっている。AIスピーカーの普及が進んでいない日本において、現時点では、AIスピーカーによる誤発注のトラブルは報告されていないが、今後日本においてもAIスピーカーが普及すれば、米国と同様にAIスピーカーを利用した電子商取引に関するトラブルが発生する可能性がある。

 今回改訂された経済産業省の「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、法的拘束力はないもので、主に過去に問題となった事案や判例の蓄積等を示すものであるが、経済産業省は今回の改訂版(以下「準則改訂版」という。)では、AIスピーカーに関する誤発注の問題に関し、トラブルを未然に防ぐことを目的として、その問題に対する見解を追加したのである。