名誉毀損やプライバシー権侵害など、インターネットにおける誹謗中傷問題の解決においては、発信者の特定が重要なテーマの一つである。しかし、そこには法的・技術的な障壁が立ちはだかる。法的手続きには限界があるほか、技術的な要因で発信者の特定に困難が伴うことも多いという。当該分野に長年にわたり取り組んできた高橋喜一弁護士に話を聞いた。
Q1 違法記事の発信者特定について法律はどのような手続きを定めているか。
A1 名誉権やプライバシー権に対する権利侵害が明らかな違法記事については、「プロバイダ責任制限法」という法律によって、プロバイダーがその発信者の情報を開示するという手続きがある。しかし、多くの場合、訴訟手続きを要するため費用や時間がかかる上に、結果として技術的な理由で発信者にたどり着くのが困難なケースも多い。
Q2 技術的な理由とは?
A2 多く直面するのは、プロバイダーのログ保存期間を経過している場合や、対象の通信が複数のプロバイダーを経由している場合、また、サーバーが海外にあり日本での訴訟手続きに困難が伴う場合などがある。そのため、逆に技術的な手法により、法的手続きを介さずに発信者を特定する手法も研究されている。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー