近年、内閣に設置された日本経済再生本部において「裁判手続等のIT化検討会」が組織され,電子訴訟に向けた動きが我が国でも本格的に始まった。お隣の韓国では、30年以上前から訴訟手続きの電子化が段階的に進められており、世界最先端の仕組みを構築しているといわれる。そこで先月、韓国の電子訴訟事情を視察に行った髙橋喜一弁護士に話を聞いた。

Q1 韓国ではどのような手続きが電子化されているのか?

A1 日本では現在ほとんど全ての裁判手続きが紙とファクスで行われているが、韓国では1979年より電子化への取り組みが行われており、現在は民事訴訟、登記、家事、司法行政の手続きが電子化されている。

Q2 韓国の電子訴訟とはどのようなものか?

A2 裁判の電子化が進んだ結果、現在は文書管理システムが完成レベルにあり、裁判書類(訴状、答弁書、準備書面、書証類)の提出や保管は、ブラウザーからアップロードする方法により行われる。裁判の相手方から書面が提出されると、瞬時にこちらの携帯電話に通知が届くようになっており、送った方も相手に届いたことがすぐに分かるようになっている。ここでいう電子訴訟とは、裁判関連の書類を電子的に記録して訴訟並びに保管に活用すること、並びに連絡を電子的にすることを指している。

ソウル地方裁判所の電子法廷を視察。日本と異なり米国のように原告・被告が横に並んで着席する。間隔が空いていない。書面は法廷左側の画面に表示される
ソウル地方裁判所の電子法廷を視察。日本と異なり米国のように原告・被告が横に並んで着席する。間隔が空いていない。書面は法廷左側の画面に表示される

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