2018年の5月に開発者会議「Google I/O」が開催され、米グーグルは、AI(人工知能)が口頭で電話予約するシステム「Google Duplex」を発表した。今後、AIを利用した契約がますます増加することが見込まれる。今回は、弁護士の二木康晴氏に、AIが締結した契約が成立するかどうかについて聞いた。
Q1 今後、AIを利用した契約は増えるのか?
A1 これからAIを利用した契約は増えていくのではないか。もともと金融証券市場においては、古くから自動取引プログラムが存在していて、プログラムが売買注文のタイミングや価格・数量などを決定し、人手を介さずに自動的に売買がなされてきた。
また、米アマゾン・ドット・コムは、ネットに接続された対応機器から、少なくなった消費財や消耗品を自動発注するサービス「Amazon Dash Replenishment」を展開しており、例えば、プリンターがインクを、洗濯機が洗剤を、自動的に再注文するようなシステムを提供している。
オンラインの世界では、AIが契約を締結することは、すでに行われている。
一方、冒頭のGoogle Duplexは、AIが利用者の代わりにレストランや美容院に実際に電話をかけて、店員と自然な会話をすることで予約することができるシステムである。オンラインではなく、電話による会話というアナログな領域がAIによって自動化されることになり、将来的に活用される余地は大きいだろう。
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