テレビ、新聞、雑誌、ネットなどでAI(人工知能)に関する報道が連日なされている。AIにより利便性が高まる一方、AIが暴走した場合の責任を誰が負うのかなどAIに関する議論は尽きない。今回は、弁護士の二木康晴氏に、AIに法人格を認めるべきかについて聞いた。
Q1 これまでAI(人工知能)に法人格を付与した事例はあるのか。
A1 2017年10月、サウジアラビアが「ソフィア」というAIロボットに世界で初めて市民権を付与したというニュースが世間をにぎわせた。また、同年11月には、東京都渋谷区が「渋谷みらい」というAI(7歳の男の子という設定)を特別住民登録したと発表し、話題となっている。いずれも法的な意味での法人格を付与したわけではなく、開発普及のためのPR活動の一環と考えられるが、AIに法人格を与えることがごくごく身近に考えられる状況になっている。


実は、AIに法人格を付与するという議論の歴史は意外に古い。米国では、1992年にローレンス・B・ソラム教授が「人工知能の法人格」という論文を発表している。また、最近では、2017年1月に、欧州議会が、将来的にAIやロボットを「electronic person」として、一定の権利主体性を認める可能性について言及した論文を公表しており、議論の気運は高まっている。
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