データを活用した新サービスを進めていくためには個人に紐づくパーソナルデータを適切に扱うことが欠かせない。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の中崎尚弁護士に昨年5月に施行された改正個人情報保護法のポイントについて聞いた。

Q1 そもそも今回の改正法の経緯を教えてほしい

A1 ビッグデータやIoTの活用が進みつつあるなか、JR東日本のIC乗車券「Suica」で移動履歴のプライバシー問題が発生し、企業が自社の持つデータの活用に慎重になった。こうした状況に対応するため、個人情報にあたるかどうかのグレーゾーンを解消したり、一定の条件下で同意なしに匿名データを他者に譲渡したりできるよう検討が始まり、2015年9月に改正法が成立した。施行は2017年の5月だ。

 なお個人情報の利用目的を変更するには、本人同意が必要という原則は、改正法でも変更ない。ただ「変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲」であれば、本人同意なしに変更できるという例外があった。改正法ではこのうち「相当の」の文言が削除され、一定の緩和が見込まれることとなった。

 このほか欧米諸国と同様に個人情報保護法を統轄する独立組織を「個人情報保護委員会」として設置した。海外とも一元的に折衝できるようになった。

図1 改正個人情報保護法の狙い
図1 改正個人情報保護法の狙い
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