※「最新マーケティングの教科書2019」(2019年1月9日発行)の記事を再構成
動画投稿サイト「YouTube」などで人気を集めるインフルエンサーの一種。いわゆる「中の人」の動きや表情を、最新技術を使ってCGアニメのキャラクターで再現する。先進的な企業によるマーケティング活動への起用に加え、音楽ライブなど活躍の場が拡大している。
バーチャルユーチューバーは当初、一般的なユーチューバーと同様、YouTube上で楽曲に合わせて踊ったり、ゲームをしながら実況したりといった動画を投稿していた。しかし、草分けのキズナアイが2018年4月にテレビ番組のレギュラー出演を開始。次いで同年8月に輝夜月が初めてVR(仮想現実)空間で音楽ライブを開催。さらには人気バーチャルユーチューバーが相次ぎ歌手デビューするなど、活動の場は動画サイトの外に広がり始め、今やバーチャルタレントと言ってよい。
人気の秘密は、いわゆる「中の人」がいる生身の存在という点にある。裏側に人間の演者がいて、CGは人間の動きや表情と連動する仕組みになっているため、生配信にも登場して視聴者と会話できる。魅力的な外見を持ちながらファンと生身のやりとりができ、しかもトーク力が極めて高い──。そんな“理想のアイドル”が毎日のように動画をアップすることで、視聴者は強い親近感を持ち、熱狂的ファンへと育ったわけだ。
技術の進化で参入障壁が下がる

そんなバーチャルユーチューバーを志向する人の数は、18年に入って急増している。人間の全身の動きを読み取る「モーションキャプチャー」装置の低価格化や、VR視聴に使われるHMD(ヘッド・マウント・ディスプレー)の転用など、技術面での進化がその背景にある。
この人気を受け、バーチャルユーチューバーを企業のマーケティングに活用する動きが出てきた。
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