※ムック『この1冊でまるごとわかる 人工知能&IoTビジネス 2018-19』掲載の記事を再構成

スマートフォンのバーコードで決済する中国のキャッシュレス経済は、日本でも注目される。その本質はキャッシュレスではなく、リアルな社会にデジタル化されたデータが覆いかぶさることだ。買い物、行動などのデータが信用を生み、コツコツと努力した人が報われる社会へと変わっている。

 中国ではスマートフォンのバーコードで決済するキャッシュレス経済が浸透した。日本でも騒がれるようになって久しい。確かに警察の罰金、街の屋台からシェア自転車までスマホで気軽に決済でき、上海ではもはや現金を使うほうが珍しい状況だ。

 ただし、「キャッシュレス化」は大きな変化の一面に過ぎない。本質は日常の買い物から、光熱費、レジャー、外食、移動など全ての消費体験がデータに落ち、個人IDにひも付いた状態になること。リアルな社会の上に傘のようにデジタル化されたデータが覆いかぶさるような状態になる。その結果、“滑らかな”サービス利用が実現される、さらに人が努力し、礼儀正しくなり、社会規範も良くなっていく。中国でのUXを研究するビービット(東京・千代田)は、こうした現象を「デジタルオーバーラッピング」と呼んでいる。

約7億人のモバイルユーザー市場を背景に生活の全てがデジタル化された超ビッグデータ社会
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