※ムック『この1冊でまるごとわかる 人工知能&IoTビジネス 2018-19』掲載の記事を再構成
目的に合わせて複数のクラウドを使い分ける利用形態のこと。利便性向上というメリットを生かし、アジリティー低下などのデメリットを消すには、マルチクラウドを運用できる人材やパートナーを獲得することが重要になる。
クラウドサービス(以下、クラウド)が誕生して10年以上が経過し、企業のクラウド利用環境は大きく変化した。黎明期はWebサイト、SNSなどのインターネットサービスシステムや、グループウエア、メールなどの情報系システムにおける利用が大半であった。しかし、数年前からクラウドの性能や信頼性が向上し、オンプレミスのシステムを移行する手法が整備されたこともあり、既存の基幹業務システムの移行先としてクラウドの採用が本格化した。
近年、ユーザー企業は、利用目的に合わせてクラウドを使い分ける適材適所のサービス選択が可能になり、企業内の全ITシステムをクラウド化する、いわゆる「フルクラウド」を実現している企業も現れている。さらには、デジタル化に向けたIT活用という視点からも、クラウド活用に拍車がかかっている。ビッグデータ、IoT、AI(人工知能)、ブロックチェーンなどの最新テクノロジーをビジネスに取り込むためには、クラウド活用は必須である。
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