創造性は人間の本質ではなかったか? もはやそうではない。米大などの研究者グループが作ったアルゴリズムによる絵画は、人間が手掛けたものかどうか専門家は区別できなかった。音楽にしても、AIが作曲している例はすでにある。筆者が創設した組織フューチャー・トゥデイ・インスティテュートの研究では、数年内に、設計・デザインのさまざまな過程を自動化するAIツールがたくさん誕生すると予測している。

AIの創造性、クリエイティブ系の人たちこそ注目すべき(画像)
(c)Shutterstock

 AI(人工知能)はすでに自動車を運転し、個々人に特有な顔の特徴から人を特定し、バーチャルアシスタントの頭脳の役目を果たしている。だが、人を魅了する音楽を作曲できるか。興味をそそるビジュアルアートを作れるか。こうしたものは人間の創造的才能の本質であり、絶対に機械の領域ではないはずだ。そうではないか?

 いや違う。アルゴリズムの創造力が人間に何ら劣らないことが明らかになるにつれ、創造性とAIが次第に交差するようになっている。AIの分野で最も興味深く重要な進展は、クリエイティブな作業を拡張するために活用されていることだ。これは、ビジネス界のすべての人にとって、とてつもなく大きな意味を持つかもしれない。

AI作品、人間のものと区別できない

 例えば、米ラトガース大学とチャールストンカレッジ、そしてフェイスブックのAI研究所の研究者たちが立ち上げたAIアートプロジェクトを見るといい。研究チームは2017年、1000人以上の芸術家のさまざまな画風を含む数千枚の画像を使い、コンピューターアルゴリズムにオリジナルな芸術作品を創作することを教えた。結果はどうだったか。作品が非常に優れていたことから、プロの評論家も創作アートがAIによるものか、人間によるものかを区別できなかった。実際、生身の人間の芸術家によるデザインよりAIの作品を高く評価するケースもあった。

 音楽の世界も、同じように心をつかむAIの進歩を目の当たりにしてきた。今では研究者やミュージシャン、映画監督、広告代理店がAIを使って作曲している。AIスタートアップの米アンパーミュージックが制作した初の完全AIアルバム「I AM AI」もその一つだ。投資家から集めた900万ドルの資金により、アンパーは誰もが使用料を払わずに動画や映画、マーケティング活動で利用する音楽を作曲できるようにしている。

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