企業規模の拡大によって部門間の連携が取れずサイロ化(孤立化)してしまう。この議題に対して、クー・マーケティング・カンパニーの音部大輔社長、CARTA HOLDINGSの宇佐美進典会長、サイバー・コミュニケーションズ(cci)の目黒拓副社長が組織の構築法について議論した。

目黒拓氏(以下、目黒) 現在、cciは社員数が約1000人、CARTA HOLDINGSは1350人です。企業規模が大きくなるにつれ、組織のサイロ化が課題になってきます。サイロ化を防ぐノウハウをお聞きしたい。

※VOYAGE GROUPとcciは経営統合を経て、2019年1月にCARTA HOLDINGS(カルタホールディングス)に商号変更した

音部大輔氏(以下、音部) 前職の資生堂は何十種類もブランドを持ちながらも、各部門が異なる言語体系で情報の共有ができていませんでした。まずは、それぞれが同時に目指すべきビジョン・ミッションを明示することです。部門として達成すべきことを明確にし、それに基づいて自分が何をするかが分かれば、会社が目指す先が他人事ではなくなります。

 ただ、ビジョンが明確でも、そのビジョンが自分のキャリアプランやプロジェクトにどう影響しているかわからないこともあるので、評価基準とビジョンには一貫性が必要です。

クー・マーケティング・カンパニーの音部大輔社長
クー・マーケティング・カンパニーの音部大輔社長

 もう1つは、マーケティング概念のグランファルーンです。それを説明しましょう。目黒さんのご出身どちらですか?

目黒 え? 千葉です。

音部 高校は?

目黒 千葉高校です。

音部 それを聞いた私が「すごく仲の良い友人と同じ高校です」という話をすると、妙に親近感がわきますよね。(間に入った)仲が良い友達は目黒さんと私の間柄に直接的には関係ないけれど、なぜか親近感が湧く。この現象をグランファルーンと言います。

 社員の帰属先をどこにするかで、サイロの大きさが決まります。ブランドマネジメント制の会社であれば、ブランドチームに帰属意識を持たせる。ミリタリーで言えば小隊です。自分が所属する直上司と同僚を1つのユニット、家族とする。そして、同時に日本人であるというような、大きな企業としての帰属先も感じられるように心掛けていました。

宇佐美進典氏(以下、宇佐美) ブランドに帰属意識を持つという話と、会社全体に帰属意識を持つというのは矛盾しませんか?