いろいろな変化が継続的に発生しているときに、マーケターは何をすべきだろう。マーケティングプロフェッショナルがマーケターであるなら、その本義は「いい〇〇」の定義を変え、市場創造をすることにある。自分はどういった役割で市場創造に貢献できるのか、見極めてみることも役に立つかもしれない。

ローマ帝国の都市、ポンペイの遺跡にも「近ごろの若い者は」で始まる嘆きが書かれていたとか (c)Shutterstock
ローマ帝国の都市、ポンペイの遺跡にも「近ごろの若い者は」で始まる嘆きが書かれていたとか (c)Shutterstock

 世の中に変化はつきものなので、果たして本当に現代が「変化の時代」なのか疑問を持つことはある。それでも、1980年代から2000年代のマーケティングは概念や手法は大きく変化せずそれなりに安定していた。00年代から10年代中盤まではインターネット後、あるいはスマートフォン後といった個々の手段ではなく背後にある概念に執着するなら「消費者がデジタル化して個々人の発信力が強くなる」などの傾向は、それなりに安定していた。

 もちろん技術は日進月歩であるけれど、それはいつの時代でも同じことだ。翌年は、確実に前年より何がしかの技術進歩を観察できるのが人類の歴史でもあるし、何がしか新しい概念が古い体系から生まれ続けてきているのも自然なことだろう。これからは大量のデータがその威力を大きくしていきそうだし、その結果、一見関連のなさそうな要素間の相関が見いだされたり、AI(人工知能)や今後生まれるAI的なものが大きな影響を与えたりすると想像される。

何千年前から変わらないこと

 こうした変化が現代に特徴的なのか、以前から変化は起き続けているのかという議論はさておき、いずれにしても我々は変化のなかにいる。現代は10年前とは違う世界であるし、今までとは違う仕事観、職業観、組織観、そして人生の価値観のなかで生きていくことになる。成功してきた40代が過ごした20代と、これから成功する今の20代は、きっと同じ20代の過ごし方をするのではないだろう。本質には変化はないかもしれないが、見た目の行動は随分と違うのだろうと思われる。

 この原稿は、10年前と比べればかなり進化した快適なキーボードを使って書いている。とはいえキーボードで文字を打つという行為は1980年代と変わらない。ただ、クラウド化したサービスのおかげで校正は出先でスマホでできている。手段は便利になっているが、文章を書くために必要な本質的な能力は以前と全く同じだ。多分、何千年も変化していない。

 ローマ帝国の都市として栄えたポンペイの遺跡には、「近ごろの若い者は」で始まる嘆きが書かれているという話がある。紀元前のエジプトの遺跡でも見つかったという話もある。何千年も前から人間の本質は(ほとんど)変化していない。その人間が作り上げた組織であれば、組織の様相やダイナミズムは大きくは変わらないかもしれない。同時に、歴史を振り返ればさまざまな雇用、労働形態があったように、働き方やプロフェッショナリズムの変化はこれからも起きるものと思われる。

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