マーケティング活動全体の設計図となる「パーセプションフロー・モデル」は、消費者のブランドに対する認識や知覚=パーセプションをベースにしたモデルだ。ブランドの認知、興味、購入、使用を経て、満足、再購入、口コミという経路をベースに、変化を促すためのメッセージやメディアを記述していく。

(c)Prostock-studio/Shutterstock
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 パーセプションフロー・モデルのテンプレート右上には諸目的を記入する箇所がある。すべてのマーケティング活動と同じく、明瞭・明晰(めいせき)な目的の解釈から始めたい。一連の活動の目的を記述する際には、「売り上げ10億円」とか「利益2億円」といった大枠の目的を解釈し直して「10万人の新規ユーザー獲得」とか「既存ユーザー10万人の使用量を50%増加」など、より直接的にマーケティング活動が担うべき役割から目的を解釈し直すことで活動と目的の一貫性を確保しやすい。

 単位が「円(売り上げ、利益)」から「人(ユーザー数)」や「回数(使用頻度)」、「グラムやリットル(使用量)」などに変化していると、解釈がきちんとなされているかどうか確認する簡便な指標となるだろう。また、適用する地理的なエリアやターゲットの人数に加えて、ラーニング目的も記述する。一連の活動を通して、われわれがどのような経験値や知見を得るのか明示しておくことで、活動ごとに知識を得て組織が強化されていく仕組みづくりの一環となる。

「満足」段階を満たすことが肝

 パーセプションフロー・モデルは一般的に現状からスタートし、認知、興味、購入、使用を経て、満足、再購入、口コミといった経路をたどる。案件によってはその段階が増えたり、減ったりすることもある。AIDMAやAISASといった消費行動モデルが知られているが、「満足」を入れている点が特徴の1つと言える。この段階があることで、満足を創出するために製品やサービス体験が確実に期待を超える状況を設定して、能動的に影響していくことも可能になる。

 そして、それぞれの段階に対して消費者にどのような認識を抱いてもらうべきか、デザインしていく。基本的な順番としては、まず現状を示し、次いで購入時に何を感じどのように認識するかを想定する。次いで、重要な段階である満足、再購入、口コミの動機などを設定した後、間を論理的に埋めていく。

 消費者は常に論理的に考えているわけではないものの、その行動は自然現象である以上、集団で見た場合には論理的に説明可能であるはずだ。その後、相対する行動を記述する。

 この一連の作業をこなすには相当な消費者理解を必要とするが、ブランドマネジメントにおける消費者理解に十分すぎるということはない。徹底的に消費者目線になれるだけの人間理解なくして、そもそもブランドマネジメントなどできるものではないというのは普遍的な事実である。

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