CMO(Chief Marketing Officer=最高マーケティング責任者)の役割は企業によってさまざまだ。一例を挙げれば、あらゆる施策を把握し、意思決定して勝ち続ける一騎当千のマーケティング巧者であるナポレオン的CMOがある。しかし、すべての企業でナポレオンが求められるわけではない。

CMO、マーケティング担当役員、マーケティング本部長、マーケティング担当副社長など、呼び名はそれぞれであれど、マーケティング関連部門の長をこのような役職で呼ぶことが多い。似た名前であっても、それぞれの組織で役割は大きく異なることがある。CMOとマーケティング本部長は違う職級だという組織もあるかもしれないが、ここでは議論をシンプルにするためにすべてCMOと呼び、マーケティング関連の職能域で最上の職位について議論する。
CMOという仕事には、大別すると2つの種類が存在する。この種別は、ブランド組織の構造に大きく依存している。1つは1社で1ブランド、あるいは複数ブランドあっても1つの製品カテゴリー内で運営している場合。もう1つは、1社で複数の製品カテゴリーにまたがるブランド群を擁している場合だ。別の表現をするならば、前者は組織内にブランドマネジャーというポジションが存在しないかほぼ存在せず、後者は多くのブランドマネジャーがいると想像される。
ナポレオン的CMOは一騎当千のマーケティング巧者
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